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“総合区”導入見送り 横浜など15市が「必要性ない」

政治行政 神奈川新聞  2014年08月03日 03:00

総合区の仕組み
総合区の仕組み

政令指定都市の住民サービス向上を目的に総務省が新設した「総合区」制度に関し、全20市のうち15市が「必要性がない」などとして導入を当面見送ることが2日、共同通信社のアンケートで分かった。残る5市は検討中などと答え、導入を明言した市はゼロだった。1956年の政令市制度創設以来初となる改革の目玉政策だが、不発に終わる可能性が出てきた。

総務省は5月に地方自治法を改正し、住民票交付など窓口業務が中心の政令市の区を総合区に衣替えできるようにした。職員の人事権を持った特別職の区長を議会の同意を得て選任。区長は地域の課題解決やまちづくりに関わる予算を市長に提案するなどして、これまでよりきめ細かい行政サービスを提供する。

しかし6月実施のアンケートでは、現行制度でも市長の判断で区役所に窓口業務以外のさまざまな仕事を任せることが可能として、15市が「今のところ総合区の設置予定はない」と回答した。広島は「区役所の機能を強化しており、必要性を感じない」とし、横浜も「既に区役所は市民に身近な総合行政機関となっている」と答えた。

3市は「検討中」とし、うち新潟は「制度の詳細が不透明」を理由に挙げた。市を廃止する都構想を進める大阪と、メリットとデメリットが判断できないとした名古屋は「その他」と回答した。

大阪大大学院の北村亘教授(行政学)は総合区に消極的な理由を「区の権限や裁量を拡大しすぎると、区によって行政サービスにばらつきが出るとの懸念もあるのだろう」と分析。「サービス向上の手段は区役所強化だけではない。総務省は、住民の意向をよく知る市議が活躍しやすい仕組みなど、いろいろな施策を検討するべきだ」と指摘している。

◇二重行政解消は期待 改正地方自治法は、道府県と政令指定都市が二重行政の解消策を話し合う「調整会議」の設置を義務化した。アンケートでは、権限移譲を迫りやすくなるとの期待感から、政令市の半数超の14市が義務化を「評価する」と回答した。一方、道府県は、権限縮小の懸念から「必要ない」と否定的な意見が目立った。

道府県と政令市をめぐっては、体育館など公共施設や行政サービスが重複し非効率だとの指摘がある。調整会議では、市長が知事に対し、市に一本化するよう要求できる。協議が難航すれば、総務相に仲介を求めることも可能だ。設置の仕方などはこれから定める。

調整会議を評価した市のうち、相模原は「県から市への権限移譲の推進につながる」と期待感を示し、北九州も「二重行政解消のための重要な枠組みになる」と歓迎した。これに対し政令市がある15道府県のうち、評価したのは4道府県だけ。評価しなかった5県からは「自治体が自主的に話し合って二重行政を解決するべきで、国が会議の設置を義務付ける必要はない」(神奈川)との批判も出た。

【共同通信】


政令市の方針
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