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【照明灯】男子に赤い服

カルチャー 神奈川新聞  2014年07月21日 11:00

赤いブレザーと白いズボンに見入った。1964年10月10日、東京五輪開会式で入場行進した日本選手団が着用した。県立歴史博物館(横浜市中区)の特別陳列「よみがえる東京オリンピック」(9月28日まで)に出品されている▼デザインはトラッドファッションの生みの親、故石津謙介さんだった。「男子に赤い服を着せるなんて」という批判もあった。開会式の中継を見ていたはずなのだが、服の色に印象がなかったのは、わが家のテレビが白黒だったからに違いない▼真っ赤なブレザーで心に火が付いたのでもなかろうが、日本中が五輪に燃えた。テレビの前にくぎ付けになる人が多く、あおりを食った映画館などでは閑古鳥が鳴いた。あの熱気は2020年五輪でよみがえるのだろうか▼東京都の舛添要一知事が近隣県を含む施設活用方針を示したことで、さまざまな動きが出ている。黒岩祐治知事は会場提供に意欲を見せ、相模原市の加山俊夫市長は前回に続き相模湖をカヌー会場に利用してもらいたい考えだ▼2度目の五輪は国威発揚の場ではない。目いっぱいの費用をつぎ込み、派手なイベントを演出する必要はない。使える施設は活用すればいい。成熟した国家の姿を世界に見てもらう大会を目指すべきだろう。

【神奈川新聞】


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