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ガソリン高企業悲鳴 増税と二重苦物流や輸送

経済 神奈川新聞  2014年07月20日 03:00

県内でも高騰しているガソリン。レギュラーは1リットル当たり172円の看板も=17日午後、横浜市内のガソリンスタンド
県内でも高騰しているガソリン。レギュラーは1リットル当たり172円の看板も=17日午後、横浜市内のガソリンスタンド

ガソリンの高騰が続いている。経済産業省資源エネルギー庁が発表したレギュラーガソリンの1リットル当たりの全国平均小売価格(14日時点)は前の週より20銭高い169円90銭。12週連続で値上がりし、5年10カ月ぶりの高値水準が続いている。神奈川は全国より80銭安いが、今後の見通しについては「神奈川はつかみにくい」(石油情報センター)と不透明な状況だ。ガソリンを使用する企業活動は多岐にわたる。4月の増税に追い打ちをかける現状に、県内企業からも悲鳴が上がっている。

「本当に深刻です」。横浜市内の物流会社の担当者は沈んだ声を出す。関係企業を含めると、3千台のトラックを運行。燃料費だけで月120万~150万円増額した。

営業所ごとに地下タンクがあり、ドライバーにはそこで給油するよう指示している。ガソリンスタンド(GS)の店頭価格では「とてもじゃないが、やっていけない」。

地道な努力も続ける。アイドリングストップ、急発進や急停車の禁止を徹底するよう現場に指導。ただ物流は速さや時間の正確さが問われる。「目をつぶらなければならない部分がある」と担当者。毎年数十台ずつ燃費の良い新車に買い替えているが、それも一遍には進まない。対策を講じても価格上昇に追いついていないのが現状だ。

石油情報センターによると、5月中旬以降、ウクライナやイラク情勢が緊迫化して原油価格が高騰。元売り会社が卸価格を引き上げ、その後にGSが販売価格に転嫁させている。

物流と同様、輸送にとっても頭の痛い問題だ。桜木町駅前で客待ちをしていたタクシー運転手の男性(65)は価格の安いセルフ式GSを選ぶ。「ただでさえ消費増税で客足が遠のいているのに、余計苦しくなる」。低燃費のハイブリッド車を運転する別の男性運転手(71)でさえ「なるべく安い郊外で給油している」と明かす。

ガソリンを使うのは、何も車だけではない。クリーニング業界はドライクリーニングに工業用ガソリンを使用。ハンガーや洗剤には石油系材料が使われている。横浜市内のクリーニング店の男性社長(70)は「溶剤価格はおととしに比べて2、3割増し」と説明。「増税と原油高の『往復ビンタ』だよ」と苦笑いする。

夏のレジャーシーズンを前に下がらないガソリン価格を憂い、先手を打つ企業も出てきた。ニッポンレンタカーサービス(東京都渋谷区)は8月末まで、現金としても使えるポイントを利用者に一律付与するサービスを始めた。レンタカーの利用率も鈍っているだけに、新サービスで顧客を何とか引き留めたい考えだ。

石油情報センターは全国の今後の見通しについて、イラク情勢の安定で原油価格が下落傾向にあることから、「小幅ながら値下げする可能性が高い」とみる。ただ神奈川の場合、価格競争の激しい横浜や川崎で値下がりし、それ以外の場所ではGSが上昇分を遅れて販売価格に転嫁する可能性があるためにつかみにくいという。宅配事業を手掛ける事業者はこう話した。「これ以上、値上がりしないよう願うばかり」

【神奈川新聞】


神奈川県のレギュラーガソリン店頭価格の推移
神奈川県のレギュラーガソリン店頭価格の推移

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