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自治体に情報なく監視困難 オスプレイ厚木再飛来

社会 神奈川新聞  2014年07月19日 03:00

厚木基地に再飛来したオスプレイをiPadで撮影する県基地対策課職員=厚木基地南側
厚木基地に再飛来したオスプレイをiPadで撮影する県基地対策課職員=厚木基地南側

米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイの首都圏初飛来から3日後の18日、再び米海軍厚木基地(大和、綾瀬市)に姿を現した機影に、市民団体はあらためて怒りの声をぶつけた。住民の不安に向き合う自治体の基地対策担当者は、基地周辺で離着陸時の飛行モードを注視したものの、独自検証には限界も。わずかな情報で安全性が確認できない現状が浮き彫りになった。

「情報が少なく、どの方角から来てどっちへ飛んでいくのかも分からない」

午前10時すぎ、厚木基地周辺。県や大和、綾瀬、横浜市などの基地対策担当者が、米側や国からの極めて少ない情報を頼りに、オスプレイの再飛来に備えた。

この日、県の担当者が最も注目していたのはオスプレイの飛行モード。15日に初飛来した際、市街地上空を固定翼モードではない状態の機影が相次いで確認され、市民団体などから「日米合意を破っている」と指摘されていたからだ。

午前11時10分ごろ、雲の中から重低音が響き、南の空にオスプレイが姿を現した。待ち受けていた職員はiPad(アイパッド)を空に向け、ほぼ正面から降下してくるオスプレイを撮影。直後に県庁へ電話し、プロペラが上を向いた状態だった状況などを報告した。

基地北側で待機していた県や市の担当者も写真撮影や騒音計の数値変化を本庁へ報告。約1時間半後の離陸時も翼の角度を注視しながら機体の動きを追った。雲間に消えるまで見守った県の担当者は「プロペラが前傾し、真上を向いているのではないことは分かったが、どのモードなのか確認できない」と漏らした。

この日、県は同基地南北に職員2人を配備したが、県内の市街地上空を通過した際の飛行モードなどに関する調査は未実施に終わった。県基地対策課は「飛行モードを含めたオスプレイの安全性や、飛行経路、騒音問題は国が責任をもって調べ、きちんと県民に知らせるべき」と強調。今後、県内の基地関係市などとともに、国に情報提供を求めるよう検討するという。

◆住民「不安増す」

「本土訓練をやめろ」「普天間から出て行け」-。市民グループがシュプレヒコールを上げる中、厚木基地に再飛来したオスプレイは南の空へ飛び去った。

基地の南北2カ所の公園などで監視したのは、「厚木基地爆音防止期成同盟」「第4次厚木爆音訴訟原告団」「爆音をなくし、米空母の母港に反対する厚木基地周辺住民の会」。

爆音訴訟で原告団は、5月の判決で自衛隊機の夜間飛行差し止めを勝ち取ったが、米軍機は“治外法権”とされ控訴。爆音訴訟の藤田栄治原告団長(80)は、事故を起こしやすいとされるオスプレイの飛来で、基地周辺の危険度が上がったと指摘。「住民の墜落に対する不安は増大した」と、今回の飛来を控訴理由書や準備書面に盛り込み、東京高裁に提出する考えを明らかにした。

【神奈川新聞】


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