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「規制のビーチ ”2014夏@湘南」(6)逗子の海が来場者激減 組合に焦り「客戻るか」

社会 神奈川新聞  2014年07月18日 03:00

海の家が閉店した後、日の入り前だがビーチは閑散としていた=17日午後6時35分ごろ、逗子海水浴場
海の家が閉店した後、日の入り前だがビーチは閑散としていた=17日午後6時35分ごろ、逗子海水浴場

逗子海水浴場の来場者数が激減している。逗子市の集計では、昨夏の2割にも満たない。海の家の「クラブ化」を防ぎ治安や風紀を改善するため、音響機器を使った音楽や飲酒を禁止し、海の家の営業時間を午後6時半までとする「日本一厳しい」(逗子市)規制が一因とみられる。市側は肯定的に受け止めるが、本格的なシーズン到来を前に、海の家の経営者らからは「もう客は戻らないのではないか」と悲観的な声も漏れてくる。

逗子市経済観光課のまとめでは、6月27日の海開きから今月16日までの来場者数は、前年同期に比べ約7万1千人少ない約1万4320人にとどまっている。

「治安や風紀は改善しているよ。何しろ人が全然いないからね」。毎夏、逗子でライフガードを務める40代の男性はビーチを見渡した。条例・規則に加え、台風8号など悪天候も影響していると指摘する。逗子市消防本部によると、昨夏は泥酔による救急搬送が相次いだが、今夏はまだない。平井竜一市長は今月7日の会見で「家族連れが楽しめる海水浴場が実現できている」と評価した。

だが、こうした規制の影響が“直撃”しているのが海の家だ。ある店では、昨夏はこの時期でも、週末には数十人が一気に来店し「手が回らないほど忙しかった」と30代の男性従業員。今夏は客の入りはまばら。音楽を流せず、閉店は日暮れ前。「普通の飲食店の営業すらできていない、という感じですね」

出店する約40店舗でつくる逗子海岸営業協同組合は、市の条例・規則に反発するものの、海開きから約2週間は市のルールに準拠。15日には今月末まで継続することを決めた。

「今、市との対立を深めてしまえば、自分たちを応援してくれている市民まで離れてしまう」。ある30代の男性経営者は苦しい胸の内をそう説明する。「『売り上げが落ちた』と言うと、『結局金の問題か』とも取られてしまう」

一方で、「禁止ばかりのビーチだと認識されれば、来年以降も(客は)戻ってこないかもしれない」との焦りも強くにじませる。組合役員らは今後も平井市長と面談し、8月や来夏の規制緩和について申し入れを重ねたい考えだ。

17日夕、友人と3人で人影まばらなビーチを歩いていた女子高校生(17)は「音楽はあった方がいいかな」と話す一方、「お母さんは今年の方が安心と言っていたけど」とも打ち明けた。

海の家の男性従業員は、自らにこう言い聞かせた。「今の逗子の海を好きと言ってくれる人を呼び込むしかない。いろいろな方法を考えたい」

【神奈川新聞】


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