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横浜・女児虐待死:懲役8年確定の元交際相手 事件への反省と心境語る

社会 神奈川新聞  2014年07月08日 11:00

判決確定前、八井受刑者から届いた手紙の一部。「今思うとしつけなのか、ストレスのはけ口なのかよくわからないでいた」。あいりちゃんに暴行を加えていた当時の心境をそうつづっている
判決確定前、八井受刑者から届いた手紙の一部。「今思うとしつけなのか、ストレスのはけ口なのかよくわからないでいた」。あいりちゃんに暴行を加えていた当時の心境をそうつづっている

横浜市磯子区の雑木林で昨年4月、山口あいりちゃん=当時(6)=の遺体が見つかった事件で、傷害致死と死体遺棄の罪に問われた母親の元交際相手で建設作業員八井隆一被告(29)=横浜市港南区=は控訴期限の4日までに控訴せず、懲役8年とした横浜地裁判決が確定した。「あいりちゃんがストレスのはけ口になってしまった。自分の命と取り換えてでも、生きさせてあげたい」。判決確定前、八井受刑者は神奈川新聞社の取材に応じ、事件への反省と今の心境を語った。

八井受刑者は6月20日の判決後、「少しでも早く刑に服したい」と弁護人に対して控訴しない意向を示していた。同月下旬以降、勾留先の横浜拘置支所(横浜市港南区)で2回にわたって記者と接見、便箋計21枚の手紙も寄せた。

「人に手を上げたこと自体、今までなかった。なんでこうなってしまったのかという思いが、正直ある」。面会中、八井受刑者は取り乱すことなく、時々うつむいて考え込みながら記者の質問に答えた。取材に応じた理由について「(裁判を傍聴しなかった)遺族に謝罪の気持ちを伝えたい」と語った。

インターネットで知り合った母親山口行恵被告(31)=茨城県小美玉市、暴行などの罪で公判中=に同居を持ち掛け、あいりちゃんと次女の2人も同時に受け入れた。その理由を「父親の存在は必要だろうと思った。子どものいる女性と付き合った経験があり、うまく接していく自信があった」と説明した。だが、それも「つかの間」だったという。

あいりちゃんとの生活は、事件までのわずか2カ月弱。「父ちゃん」や「パパ」と呼んでもらいたかったが、記憶にあるのは「パパ君」の一度だけ。当時、妊娠中でつわりがひどかった山口被告からしつけを頼まれることが多かったといい、あいりちゃんに対しては「かわいげがなく、憎たらしい」と感じていたという。

一方で、母親の体調を気遣うあいりちゃんの姿も印象に残っているという。洗濯機を回し、乾いた洗濯物を畳み、つわりの和らぐ効果があるという足つぼを竹の棒で押してあげていた。しかし、好意を寄せていた山口被告からあいりちゃんのいたずらを誇張して伝えられていたといい、「話をうのみにしてしまっていた」と振り返った。

事件は「ストレスが虐待という形で表れてしまった」という。「長年続けてきたとび職を腰痛で長期間休まなければならず、不安だった」「山口(被告)が家事を全くせず、イライラしていた」と当時の心境を明かし、「次第にたたくことに抵抗がなくなり、あいりちゃんがストレスのはけ口になってしまった。自分で解決しようと、抱え込んでしまった」などと説明した。

「どうすれば事件は起きなかったか」との問い掛けには、「叱ってもなかなか謝らないので手を上げてしまった。うそでも『ごめんなさい』の一言があれば(結果が)違ったかもしれない」。同時に「相手は子ども。感情の赴くままに動かず、一度、時間を空けて冷静に考えることが必要だった」とも話した。

亡くなったあいりちゃんに対しては、「今は後悔の嵐。長く、楽しい人生を摘み取ってしまった。自分の命と取り換えてでも、生きさせてあげたい」と語った。

◆横浜・女児虐待死事件 2013年4月21日、横浜市磯子区の雑木林で山口あいりちゃん=当時(6)=の遺体が見つかった。判決などによると、12年7月22日、あいりちゃんは同市南区のアパートの風呂場で暴行を受けて死亡。その後、雑木林に遺棄された。あいりちゃんは千葉県松戸市や秦野市、横浜市などを転々として小学校に通っておらず、安否確認が難航。自治体や児童相談所など関係機関の情報共有で課題が浮き彫りになった。

【神奈川新聞】


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