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町政検証 2014山北町長選(下)観光 官民連携で誘客狙う

政治行政 神奈川新聞  2014年07月05日 10:48

観光施設の建設が検討されている町有地=山北町中川
観光施設の建設が検討されている町有地=山北町中川

バブル景気に沸いていた二十数年前、山北町の中川温泉にある旅館は、週末は数カ月先まで予約で満室。丹沢湖周辺に観光バスが乗り入れ、飲食店の前に観光客が列をつくった。

それも今は昔。いまは湖畔には人を見掛けず、周辺の旅館も多くは夜も暗いまま。中川温泉旅館組合の井上俊之組合長も「町と地域住民が協力して、にぎわいを取り戻したい」と現状に危機感を募らせる。

都心から約80キロと比較的近く、西丹沢の山々に囲まれ、温泉や自然豊かなハイキングコース、丹沢湖などの観光資源に恵まれている山北町。入り込み観光客数は、ピークの1992年では約182万7千人に上った。しかし、以降は漸減し、2012年には約117万6千人に落ち込んだ。

「町に頼っていてもよくならない。自分たちの手でできることは何でもやっていきたい」。こうした状況に、三保地区の住民らは観光振興に乗り出した。

終戦ごろまで和紙の原料として同地区から出荷されていたミツマタの植栽や、地場の食材を使った弁当、「足柄ブランド」の牛肉と茶を使った料理の開発、ハイキングツアーの開催などさまざまなアイデアで打開を図る。

町も動きだした。これまでは点在する観光資源にはそれなりに集客はあったが、それらの回遊性に十分取り組めていなかったため、リピーターを育てられなかった面がある。町は洒水(しゃすい)の滝や河村城址歴史公園などの観光スポットを結ぶハイキングツアーの開催や、地場の農産物を使った加工品、伝統工芸品のブランド化などの対策を講じている。

地元で期待されているのは、06年まで営業していた宿泊施設「ハイツ&ヴィラなかがわ」(同町中川)の跡地利用計画だ。町は約2万5千平方メートルの広大な跡地に観光施設を建設する方向で地域住民と検討を始めている。点在する観光資源を回るための拠点施設として、地元も熱い視線を送る。同時に新東名高速道路のスマートインターチェンジ(IC)の設置にも期待が高まっており、町は国などと協議を進めている。

「観光の核」をつくり、大きな動線を町内に引き入れることで多くの観光客を誘引、自然などの豊富な観光資源に触れてもらい、地域住民の意欲的な活動との相乗効果を期待する-。町の担当者は「民間の斬新な発想を取り入れ、連携して進めていきたい」と話している。

丹沢湖畔で飲食店を営む男性は願う。「町は定住対策に力を入れているけれど、観光振興については大胆な施策があまりなかった。うまく町の魅力を活用して、観光地として復活させてほしい」

【神奈川新聞】


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