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【照明灯】神奈川スケートリンク

社会 神奈川新聞  2014年06月30日 10:00

戦中戦後の記憶が刻み込まれた建物だった。横浜市神奈川区の神奈川スケートリンクである

▼戦時中、茨城県にあった第一海軍航空廠(しょう)の格納庫として戦闘機「零戦」の修理などが行われていたという。現在地に移築されたのは1949年。戦後復興の足掛かりを目指し、横浜で開かれた日本貿易博覧会の演芸館として使用された。終了後に体育館に改造され国体会場にもなった。スケートリンクを併設し開場したのは51年のことだ

▼以来63年にわたり日本のスケート普及とともに歩んできた。一般利用は午前10時から午後6時までだがほぼ終日運営されている。フィギュアやアイスホッケー、スピードスケート、カーリングなど各団体が貸し切り利用し予定表は深夜や早朝も埋まっている。ソチ冬季五輪のフィギュア男子で金メダルに輝いた羽生結弦選手が故郷・仙台で東日本大震災に被災後、一時的に練習場としていたことでも知られる

▼しかし老朽化が著しく、建て替えられることになった。きょう営業を終了し国際規格を満たす施設となる

▼再建日本のシンボルとなった博覧会から歳月を経て、羽生選手の活躍で被災地に元気をもたらした。逆境に屈することなく「復興」を果たす身上こそが、時代を貫く遺伝子に違いない。

【神奈川新聞】


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