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【社説】議会軽視の危機 施策審議の欠落は問題

政治行政 神奈川新聞  2014年06月28日 10:14

通常国会が閉会したばかりというこの時期に、政府の重要な方針が次々と決定されている。

集団的自衛権の行使の是非をめぐる与党協議では自民と公明が互いに歩み寄り、閣議決定の案がまとまった。また、安倍晋三首相の掲げた経済活性化策「アベノミクス」の「第3の矢」と称される新成長戦略など三つの計画が閣議決定された。

法相の諮問機関「法制審議会」では、捜査協力の見返りに起訴などを見送ることができる「司法取引」の法制化が論議され、近くまとめる答申に盛り込むという。

個々の内容について、ここでは論評しない。問題なのは、国民生活に密接に関わっていく重要な施策が、国会閉幕を待っていたかのように相次いで明らかにされ、決まっていくという過程だ。

本来なら開会期間と並行して示され、国会の場において審議されるべき課題ばかりだ。安倍首相らに対しての「論戦から逃げた」という批判は避けられまい。「逃げたわけではない」と反論しても、国会を軽視したという事実は変わらない。これだけの重要施策が続く中で、会期の延長を見送ったのは問題だ。

議員とのやりとりを通し、国民の疑問や不安に答えていくことが政府の責務であろう。むしろ国会を通じて政府の立場をアピールするしたたかさも必要ではないか。

議会を軽視し形骸化していく雰囲気は、国会だけにとどまらないようだ。東京都議会の議場で起きた女性軽視のやじの問題も同根である。

そもそも「議会は政策論争の場」との認識があったならば、「早く結婚すればいい」などという低次元な発言が飛び出すはずがない。少子化対策への軽視に加え、議員という仕事や、議会という仕事場に対してのプライドの欠如も露呈した。

国会でも地方でも、議会の役割は重要である。議員の地位にあるすべての人たちに、国会や都議会のありさまを他山の石としてもらいたい。

さまざまな場面を「数の力」で押し切ってきた政府・与党も、集団的自衛権をめぐっては、さすがに国民への説明不足を認識しているようだ。閉会中の臨時集中審議に応じる構えだ。

ただ、それは与党案が閣議決定された後になる見通しという。野党は怒り、決定前の審査を迫るべきだ。議会の軽重が問われている。

【神奈川新聞】


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