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南米の弦楽器・チャランゴ奏者の宍戸さんが凱旋公演 「日本とボリビアの懸け橋に」

カルチャー 神奈川新聞  2014年06月20日 11:30

チャランゴ奏者として活躍する宍戸さん(公認カメラマン雨宮真理さん提供)
チャランゴ奏者として活躍する宍戸さん(公認カメラマン雨宮真理さん提供)

南米の民族音楽フォルクローレの世界的なグループ「ロス・カルカス」のチャランゴ奏者として世界を舞台に活躍している日本人男性がいる。南足柄市生まれ、松田町育ちの宍戸誠さん(36)。今月に日本公演で帰国。地元でのコンサートも成功させ、凱旋(がいせん)を果たした。

8日に市文化会館(同市関本)で開催されたコンサートには約800人が訪れた。約2時間で20曲を演奏。ウクレレのような弦楽器チャランゴのほか、笛のケーナやサンポーニャ、打楽器のボンボなどが奏でる南米独特の軽快なメロディーと歌声のハーモニーに、来場者は総立ちとなって全身でリズムを刻んだ。

地元での公演は3回目。宍戸さんは「いつもボリビアで演奏しているようにすごく盛り上がる。最後は会場が一体となっていた」と感激している様子だった。

ロス・カルカスは1971年に結成。世界中でヒットした「ランバダ」の原曲「Llorando se fue」などを生み出した。趣味でフォルクローレを演奏していた父・忠夫さん(73)の影響を受けた宍戸さんは、8歳の時からチャランゴを手に取ってカルカスの曲を演奏していた。

同じころ、地元の松田町町民文化センター(同町松田惣領)で開かれたカルカスのコンサートに忠夫さんと足を運んだのをきっかけに、さらに魅了されていった。当時のことを宍戸さんは「あまり覚えていない」というが、忠夫さんは「高熱が出ていたけど、行くって言い張って。会場では興奮していたよ」と振り返る。

音楽の専門学校を卒業後、「人の喜びや悲しみがよく曲に表現されているから聴く人も感動する」(宍戸さん)というフォルクローレを本格的に学ぶため、ボリビアへ。カルカスの元メンバーからチャランゴを教えてもらう機会に恵まれた。

ちょうどそのころ、カルカスがチャランゴ奏者を募集。2回目の挑戦で認められ、2002年にメンバー入り。カルカスで初のアジア出身メンバーとなった。

「雲の上の存在だったグループに自分がいる。うれしさとプレッシャーを感じている」とかみしめる宍戸さん。現地の独特のリズムや音色を出すことが課題で、技術を磨いている。

自らがメンバーとなって地元で公演。「あのころの自分は想像もしていなかった」と宍戸さん。カルカスとの出会いから約30年の時が流れていた。宍戸さんは「最終的には日本人にしかできない、自分なりのフォルクローレを表現したい」と決意を新たにしている。

今年は日本とボリビアの国交樹立100周年にも当たり、「両国の懸け橋になれれば」と、さらなる活躍を誓った。

【神奈川新聞】


世界中で公演し、人気を集めるロス・カルカス。宍戸さんは左から2番目(公認カメラマン雨宮真理さん提供)
世界中で公演し、人気を集めるロス・カルカス。宍戸さんは左から2番目(公認カメラマン雨宮真理さん提供)

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