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【社説】政令市制度改革 「都市内分権」も追求を

政治行政 神奈川新聞  2014年06月19日 09:26

人口370万人を抱える横浜市を制度上、今後どのように効果的に機能させるか-。今国会で成立した改正地方自治法を弾みに、活発な議論と成果を期待したい。

改正法では、横浜や川崎、相模原市など政令指定都市の制度が約60年ぶりに本格的に見直され、2点の大きな変更が盛り込まれた。

一つは、神奈川県など広域自治体(道府県)との「二重行政」を解消しようとする流れだ。かねて横浜市は県と同等レベルの行政サービスをこなす能力は備えているものの、それに伴う権限や財源がないと主張。都市の一体性を最大限に生かし、戦略的な経済政策や子育て・教育支援、まちづくりなどを行うために、県からの独立を求めてきた。

全国の20政令市の中でも、横浜市は独立論のけん引役を果たし、県とも協議してきた。改正法では、県と各政令市が二重行政の解消に向けた協議を行う「調整会議」の設置を明記した。

既に都市計画や教育分野などで県からの権限移譲は進みつつあるが、調整会議では既得権やメンツにとらわれず県民、市民のサービス向上の観点からより一層議論を深め、成果を期待したい。

もう一つの変更点は、「都市内分権」の推進だ。現在は窓口業務が中心の政令市の区を「総合区」に衣替えし、予算提案や職員の任命ができる「特別区長」を市長が議会の同意を得て選任できるようになった。

だが、導入には横浜市をはじめ、いずれも消極姿勢が目立つ。分権や住民自治の強化といった基本理念に賛同しつつも、一体的な都市づくりの優先や導入コストへの懸念などが慎重さの背景にあるようだ。

ただ、横浜市でいえば、北部は人口が増加基調で子育て世代も多い一方、南部は人口減と高齢化が顕著になるなど、全18区の特性や課題は異なっている。

区ごとの多様性に柔軟かつ素早く対応するには、区を単なる窓口ではなく、地域の課題やニーズを細かく吸い上げ、財源と権限を背景に特色ある政策を展開できるよう改めていく積極姿勢が必要であろう。

横浜市は基礎自治体として国内最大の都市で「大きすぎる」と指摘されることもある。それだけに、住民に近い区が独自性を発揮できる仕組みづくりをこれまで以上に追求しなくてはなるまい。

【神奈川新聞】


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