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真夏避ける花火大会増加 客の安全確保やコスト減に効果

カルチャー 神奈川新聞  2014年06月16日 09:05

平日に行われた逗子海岸花火大会。約10万人が訪れ、初夏の夜空を照らす花火を楽しんだ=5月29日、逗子海岸
平日に行われた逗子海岸花火大会。約10万人が訪れ、初夏の夜空を照らす花火を楽しんだ=5月29日、逗子海岸

真夏の風物詩として定着している花火大会だが、真夏以外に行われるケースが増えている。4月には伊勢原市で、5月末には逗子海岸で開催、大勢の観客でにぎわった。10月や11月に開かれる大会もある。あえてハイシーズンを避ける狙いとは-。

初夏の夜空を彩る約7千発の花火に、浴衣姿も交じる観客から大きな歓声が上がった。5月29日の逗子海岸。従来の真夏から初夏に変更して3度目の開催だ。さらに今年は前年までの週末から平日に移した。事前告知も市内掲示のポスターなどに限定した。それでも、延長約850メートルの海岸を中心とした会場周辺に、逗子市の人口の2倍近い約10万人が詰めかけた。

「海岸浸食で、砂浜が狭まっている。集客より安全優先」。逗子市とともに主催する市観光協会は、初夏に前倒しした理由をそう説明する。海の家が立ち並ぶ真夏の開催となれば、観客を収容できるスペースはさらに狭くなり、安全確保が難しくなるからだ。主催者側は来年も平日開催とするか検討するという。

会場周辺の住民や見物客は、どう受け止めているのか。海岸の目の前に住む女性(54)は「真夏は人が多すぎて危ない。平日だった今年も海沿いの国道や住宅街の道は人や車でいっぱいだった」と、週末を避けた5月の平日開催を評価する。一方、横浜市保土ケ谷区から家族4人で来た女性(37)は「子どもがいるので、平日だと毎年は来られない。せめて金曜日なら…」と不満そうな表情を浮かべた。

ハイシーズンを回避しているのは、江の島周辺で花火大会を開く藤沢も同様だ。警備態勢上の問題などもあり、2010年から秋に開催している。海の家の経営者には不評だったが、秋は日の入りが早いため、花火終了後に周辺の飲食店に繰り出す見物客が急増。思わぬ経済効果を挙げ、地元経済界が秋開催の定着を後押しした。

12年に5年ぶりに復活した寒川は、11月に開催。実行委員会は「あえて時期をずらすことで、独自性が出る」と狙いを話す。内陸で打ち上げ場所が田んぼのため、稲刈り後でなければできないとの事情もあるが、「夏場に比べ11月は空気が澄んでいるので、花火がよく見える」と前向きに捉えている。

「県内で最も早い」を売りにするのは伊勢原だ。市民手作りで経費節減が至上命令の中、「シーズンオフの春は、費用が安く済む」と大会発案者の高津弘人さん。また花火業者にとっても、新作花火の出来を確かめられるというメリットもある。

とはいえ、大半の大会が夏開催を継続している。「長年続いており、定着している」と話すのは、8月に開催している茅ケ崎市の観光協会。「夏以外にもさまざまなイベントを展開しており、時期の変更は考えていない」と言い切る。平塚は従来の7月下旬から8月下旬に変更。近隣で大会がなく一層集客を見込めるためといい、夏へのこだわりを見せている。

【神奈川新聞】


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