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6~7日の大雨 警戒情報発表も県内自治体はいずれも避難勧告見送り

社会 神奈川新聞  2014年06月10日 16:11

箱根町で400ミリを超えるなど記録的な雨量となった6日から7日にかけての大雨で、気象庁などが発表した土砂災害警戒情報に基づき避難勧告を発令した県内自治体はゼロだった。市町村単位で発表される警戒情報では災害の危険箇所を絞り込めないためで、対象となった7市町はいずれも発令を見送り。昨秋の伊豆大島の土石流災害の教訓も踏まえ、国は「空振りを恐れない早めの勧告」を求めるものの、自治体からは「現実には困難」との声が上がっている。

近年の豪雨災害では避難勧告・指示の有無や発令の遅れなどが問題となり、自治体の責任を問う訴訟に発展した事例もある。仕組みが十分活用されていないとして、内閣府が4月に改定した指針では土砂災害警戒情報で勧告を出すことを基本に据えた。さらに大雨に関する情報が付加された際は、より強い指示を発令するよう促している。

今回の大雨は、指針改定後に警戒情報が発表された県内初のケース。だが、対象の横浜、横須賀、鎌倉、逗子、三浦の5市と葉山、箱根両町はいずれも警戒情報に基づいた勧告や指示は見送った。

警戒情報が市町村による避難勧告のきっかけにならない現状について、市内18区が北部と南部に分かれて発表される横浜市は「範囲が広すぎる。警戒情報だけでは、どこで崖崩れが起きるか分からず、勧告を行うべき地域を絞り込めない」と指摘。6日夜に金沢区のアパート8世帯に出した勧告は警戒情報の発表前で、土砂が流出し水道管などが露出する被害がきっかけだった。

土砂災害警戒区域が千カ所を超える横須賀市も「住民から被害や前兆に関する情報がないと、勧告はできない。国は空振りを恐れるなというが、繰り返されれば本当に危険なときに住民が逃げなくなってしまう」と危惧する。国の指針に基づいた発令基準の見直しも考えていないという。

警戒情報の発表後、「危険性の高い16カ所を消防職員が巡回したが、兆候は見当たらなかった」という三浦市の担当者は「津波より風水害の方が避難の呼び掛けが難しい」と痛感。「市として対応は尽くすが、最終的には自分で判断してもらうしかない」とする。

鎌倉市や逗子市は警戒情報の内容を防災無線やメールで知らせるにとどめた。箱根町は自治会を通じて沢沿いなどの約50世帯に注意を呼び掛け、避難所も5カ所開設したが、1人も避難してこなかったという。

【神奈川新聞】


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