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「過去を取り戻したい」 鎌倉で保護された「健忘」の女性

江ノ島電鉄 神奈川新聞  2014年06月06日 11:07

おぼろげな記憶をたどり、以前のことを「思い出したい」と語る女性=県内の養護老人ホーム
おぼろげな記憶をたどり、以前のことを「思い出したい」と語る女性=県内の養護老人ホーム

「思い出したい」。女性は切なる思いを訴える。2010年4月19日の夜、鎌倉市内を走る江ノ島電鉄稲村ケ崎駅からはだしで乗車したところを保護された。記憶を取り戻せないまま4年間、県内の養護老人ホームで暮らす。「鎌倉が大好きでよく訪れた」「夫はずいぶん前に亡くなった」-。断片的な記憶をたどりつつ、自分の過去を取り戻そうと、情報提供を呼び掛ける。

「東慶寺、円覚寺、建長寺…。北鎌倉から鶴岡八幡宮に続く道をよく歩きました」。鎌倉のことを話すとき、表情はぱっと明るくなる。「解離性健忘」と診断され、元の住所も名前も思い出せない今、ホームでは「鎌倉花子」さんと呼ばれている。

今の日々には楽しみもある。押し花や絵手紙、習字などに親しみ、和太鼓は「リズム感や勇壮なところ」に夢中という。

断片的に思い出せるのは、子どもはおらず「尊敬できる夫」と2人だったことや、「猫のチンチラ」をかわいがっていたこと。だが無理に思い出そうとすると、後頭部が激しく痛むという。

記憶を失うまでの人生につながる人に「会いたい」。過去への愛着を強くにじませる。「いつか必ずと信じて、一日一日、一生懸命生きています」

鎌倉市高齢者いきいき課によると、報道された5日には、県内を中心に「似ている人を知っている」といった6件の情報が寄せられた。今後、確認作業を進めるという。

女性に関する情報は、同課電話0467(61)3899。

【神奈川新聞】


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