1. ホーム
  2. 政治行政
  3. 羽田~川崎連絡橋整備へ 東京五輪までに供用開始へ

羽田~川崎連絡橋整備へ 東京五輪までに供用開始へ

政治行政 神奈川新聞  2014年05月25日 14:09

政府が羽田空港と多摩川対岸の川崎方面を直結する連絡橋を建設する方針を固めたことが24日、分かった。羽田の国際化進展をにらみ、2020年の東京五輪開催までの供用開始を目指す。安倍政権の成長戦略の一環として、東京都9区と県内全域などが「国家戦略特区」に広域指定されたことも受け、羽田を玄関口とした国際ビジネス環境を整える。

菅義偉官房長官(衆院2区)が24日、神奈川新聞社の単独取材に明らかにした。

羽田から多摩川を越える連絡道路構想は、羽田の再拡張・国際化に伴って浮上した。京浜臨海部の再活性化を目指す県や川崎市なども実現を要望してきたが、空港周辺の東京都大田区などに慎重な意見もあり、調整がつかない状況が続いていた。

政府は3月、区域を限定して規制を大幅に緩和する国家戦略特区に、全国6カ所を指定。このうち、東京都9区と神奈川県全域、千葉県成田市で構成する「東京圏」では、東京五輪をにらみ「世界で一番ビジネスのしやすい環境」の創出を目指すとした。県内では京浜臨海部・殿町地区を中心に、ライフサイエンス(生命科学)に関連した研究機関や企業の集積が進んでいる。

菅長官は特区の広域指定により「(神奈川と)東京都や大田区との連携も可能になった」として、羽田強化に向けた一体的な取り組みの必要性を強調。「羽田は海外の利用者が一挙に増えた。以前に比べて国際化が一気に進んでいる」として、早期の連絡橋整備に注力する意向を示した。

◆◇◆研究機関集積に弾み

川崎臨海部・殿町3丁目地区と羽田空港との直結が実現する見通しとなり、成長分野として期待されるライフサイエンス(生命科学)に関連する企業、研究機関の集積に一層弾みがつくことになる。約40ヘクタールに及ぶ大規模なトラック製造工場の移転から10年、悲願だったインフラ整備にようやく光が差し込んだ。

菅義偉官房長官は羽田空港の国際線増強、東京五輪開催決定といった要因を考慮し、行政区にとらわれずハブ空港を核にした広域的な成長拠点形成が必要だとの認識を空港周辺自治体に示していたという。

従来、県と川崎、横浜両市は連絡橋に加え空港機能の一部を備える「神奈川口構想」を掲げていた。しかし、近年は周辺自治体への配慮から連絡道路は「あくまで空港インフラの一部」との方針に転換したことも関係自治体、省庁の理解を円滑にした格好だ。

殿町3丁目地区はライフサイエンスに関連する主要な研究機関、グローバル企業の進出が続き、「遊休地を解消するめどは付いた」(川崎市幹部)。今後は研究開発機能に加え、レクリエーション、交流、生活利便といった多様なまちづくりが進む予定で、国際展示場の整備を検討している対岸の東京都大田区側との機能分担が課題となる。

これまで、神奈川口構想は羽田空港の再拡張事業に対する県、川崎、横浜両市の資金提供に対する見返りという思惑が見え隠れしていた。首長も当時から一新し、今後は「再国際化した羽田空港を核にした成長拠点の形成」という政治判断を自治体側が首都圏全体の新たな発展に結びつけられるかどうか、大局的な連携が問われることになる。

【神奈川新聞】


シェアする