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市外接種も支援対象 子宮頸がんワクチン副反応 横浜市条件付きで検討

社会 神奈川新聞  2014年05月24日 03:00

子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に手足のしびれや体の痛みなどの副反応が出ている問題で、独自の支援策を検討している横浜市は23日、市外で接種を受けた場合でも条件付きで支援対象者に含めるなど、実情を踏まえて支援策を検討していく考えを示した。市会本会議で遊佐大輔氏(自民)の質問に渡辺巧教副市長が答えた。

市関係者によると、市は(1)市が実施する子宮頸がん予防ワクチンを接種(2)接種後の症状を市に相談し、事例として国に報告している(3)診断名が明確でないなどの症状を有する-の3条件を満たした場合に、市が指定する病院での治療費(自己負担分)や月額3万円程度の医療手当を給付する支援策を検討している。

渡辺副市長は支援対象者について「市外で接種を受けても接種日時点で(市内に在住し)市のワクチン接種対象者であった市民は対象にしたい」と説明。医療支援対象となる医療機関については「市大付属病院のほか、症状に応じて専門的な治療や検査を受けられるよう市外の専門医療機関も対象にしたい」と述べた。

市健康福祉局によると、市内では2011年2月から13年3月末までに約7万5千人が同ワクチンを接種した。定期接種となった13年4月以降は、同年6月に厚生労働省が接種の「積極的勧奨」を中止したこともあり、今年2月までで約600人程度に減った。痛みなどの症状が出て市に相談しているのは4月1日時点で20人。

◇独自救済策に波紋因果関係国認定せず

横浜市が子宮頸がんワクチン接種後の副反応に苦しむ人々の支援に全国の自治体で初めて乗り出す。厚生労働省は「自治体独自の取り組み」と静観の構えだが、症状とワクチンそのものとの因果関係を国が認定していない中での被害者救済の動きは波紋を呼びそうだ。

同ワクチンをめぐっては、接種後に筋肉や関節の痛みなどを訴える事例が相次いだため、厚労省は昨年6月に接種の積極的勧奨を中止。同省は専門部会を開いて因果関係などについて議論し、接種時の痛みをきっかけとした心理的な要因などが原因と考えられるとの見解でほぼ一致している。

国の動向を注視していた県内の自治体の担当者は、横浜市の動きに「英断ではあるが、いろいろと問題があるのではないか」と困惑。「苦しんでいる人がいるだけに、何らかの手を打たねばとは思っていた。だが、本来、救済は国なり県なりが横並びでやるべき。自治体間の競争のようになってはいけない」と本音をのぞかせた。

横浜市議の間でも賛成や懸念、注文といったさまざまな意見が聞かれる。

ある市議は「画期的な取り組み。国の重い腰を上げさせられるかも」と喜ぶ一方、「自治体が独自に取り組むことで地域差が出かねない」。別の市議は「良い話だとは思うが、国が救済基準を出してきた場合、市と異なったときにどちらを優先するのか」と指摘する。市議の一人は「反対ではないが、積極的賛成でもない。予防接種で同様の問題が出たら、その都度自治体が支援するのか」と疑問を口にした。

全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会神奈川県支部の山田真美子代表は「治療費の負担は大きい。独自に支援策を打ち出すのはありがたい」と評価しながら、「7万5千人以上が接種して副反応相談者20人というのも少な過ぎる。支援策を打ち出す前に、副反応の周知徹底と実態調査を行うべきだ」と訴える。

【神奈川新聞】


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