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中華街摩登(4)
賄いカレー、ひそかなブームに 「伝統と進化と」

話題 神奈川新聞  2014年05月22日 03:00

人気のカレーをPRする龍鳳酒家店長の梁瀬郁瑛さん=横浜市中区山下町
人気のカレーをPRする龍鳳酒家店長の梁瀬郁瑛さん=横浜市中区山下町

 横浜中華街といえば中華料理だが、近年ひそかなブームとなっているのがカレー。中華街ならではの食材の組み合わせが人気で、10店舗以上が提供している。

 その一つ、広東料理店「龍鳳酒家」では毎週金曜に、中華料理をトッピングした特製カレーを550円で提供している。

 取材に訪れた16日は、通常は同店の看板メニュー「パイコー飯」に載っている、豚のスペアリブを添えた「パイコーカレー」。ミキサーにかけた野菜とカレー粉を鶏がらスープで前日から煮込んだルーは、家庭的な味だが、これにスパイシーなスペアリブが不思議とよく合う。金曜は午前11時の開店前に列ができるほどの人気で、この日も50食以上を売り上げた。

 トッピングは日によって、酢豚や牛バラ肉の煮込み、エビチリなどに変わる。「おなかいっぱいカレーを食べつつ、本格中華も味わえると好評です」と、考案した店長の梁瀬郁瑛さん(28)自慢のメニューだ。

 同店がカレーを始めたのは2011年夏。同年3月の東日本大震災で、中華街の観光客も同店の来店者数も減少していた。

 そんな時、食事に来てくれる常連客に少しでもサービスしたいと、お裾分けしてみたのが、従業員らが賄いで食べていたこのカレー。中華料理とカレーの意外な組み合わせが好評で、曜日限定メニューとして定着した。

 04年のみなとみらい線開通後、若年化していた来店者にも、安くてボリュームたっぷりのカレーは人気を呼んだ。「大盛りが食べたい」という若い男性客のリクエストに応え、ラーメン丼サイズの大盛りも同料金で提供。これをクリアした人にはさらに大盛りのキングサイズを提供するなど、イベント性も持たせてリピーターを増やしている。

 当初は「中華料理店で出すものではない」と大反対した父の隆治さん(67)も、今では率先してカレールー作りを担当する。

 「伝統的な中華料理も守りつつ、時代に合わせて進化していきたい」。カレーには郁瑛さんのそんな思いも込められている。


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