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第4次厚木訴訟判決へ
爆音の行方(下)解消の“道筋”に期待

社会 神奈川新聞  2014年05月20日 10:00

周囲の過密化が進む厚木基地
周囲の過密化が進む厚木基地

 「民事訴訟と行政訴訟の両方で軍用機の飛行差し止めを求めれば、少なくとも爆音解消までの“道筋”は示されるはず」。原告側弁護団の福田護弁護士は、4度目となった厚木爆音訴訟の狙いをこう話す。騒音被害の元となる軍用機の飛行はどうすれば止められるか、司法がこれまで明確な答えを示してこなかったからだ。

 4次訴訟の藤田栄治団長(80)にとって、あのときの悔しさは今も忘れられない。最高裁第1小法廷は1993年、第1次厚木爆音訴訟の上告審で判決を言い渡した。17年闘ってきた末の結論は、自衛隊機の飛行差し止めは「民事上の請求が不適法」、米軍機は「国の支配が及ばない」。いずれも原告側の請求は退けられた。

 以降、全国の基地騒音訴訟では差し止めを認めない司法判断が定着。3回目の厚木爆音訴訟では、原告団の高齢化もあり、迅速な審理のため請求から外すという「苦渋の決断」を迫られた。

 4度目の集団訴訟となる今回、原告団は飛行の差し止め請求を復活させた。「静かな空」を求める“原点”回帰だった。

 弁護団は1次訴訟の最高裁判決などで、自衛隊機の飛行差し止めを「行政訴訟としてどのような要件で請求できるかはともかく」と、判断の余地を残していたことに注目。行政に対する司法審査のあり方を定めた行政事件訴訟法は、2004年の一部改正で差し止め請求に対する規定を明文化しており、これまでより請求がしやすくなったことも追い風となった。

 軍用機の差し止めを行政訴訟で求めたのは、全国で初めて。民事訴訟での請求も併せて行っている。福田弁護士は「これまでのように“門前払い”をして、裁判を受ける権利すら否定されてはならない」と強調する。

 判決言い渡しを控えた15日。藤田団長は、これまで以上に強い危機感を政権に抱いた。集団的自衛権の行使容認をめぐり、安倍晋三首相が「限定的」として検討を指示。日本が他国と軍事行動を共にすることが現実味を帯びてきたからだ。

 訴訟で国は、差し止めを認めるべきでないとする反論理由の一つに、軍用機の公共性や公益性を挙げている。「自衛」の範囲が拡大すれば、役割を増す基地は機能が強化されて固定化し、騒音に悩まされる周辺住民の犠牲はさらに見捨てられることにならないか-。

 だからこそ、と藤田団長は力を込める。「騒音の解消という目標達成に、これまでより前進する判決を勝ち取れば、軍事態勢の強化に対する抑止力にもなるはずだ」。「軍事」との向き合い方が揺らぐ今、21日の判決は大きな意義を持つと確信している。


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