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北海道・奥尻島の活性化へ 葉山の「げんべい商店」

経済 神奈川新聞  2014年05月13日 13:00

北海道奥尻高校の生徒たちがデザイン、昨年商品化したビーサンを手にする中島さん=葉山町の「げんべい商店」
北海道奥尻高校の生徒たちがデザイン、昨年商品化したビーサンを手にする中島さん=葉山町の「げんべい商店」

葉山町のビーチサンダル専門店「げんべい商店」が北海道奥尻島の活性化に尽力している。人口流出が続き、観光客の数も減少傾向にある中、2013年夏、島の高校生たちによるビーサンのデザインコンテストを初開催。1993年7月の北海道南西沖地震から20年の節目だったこともあり、話題を集めた。店長の中島広行さんは今後も企画を継続予定で、将来的には「島ビーサン」と称しブランド化も狙う。縁もゆかりもなかった島の活性化に力を注ぐのは「そこに30年後の日本を見るから」だという。

同社は江戸末期に創業。○の中に「げ」と書いたマークで知られ、現在は全国の百貨店やファッションブランドなどとのコラボ商品も数多く手掛ける。中島さんは5代目に当たる。

奥尻島の地域再生プロジェクトを手掛けるJTB総合研究所の従業員に誘われ昨春、現地を訪れたのがきっかけだった。帰る際、1日1便しかない函館行きの飛行機が天候の関係で飛ばなくなり、やむなく滞在を延長。島を巡り、地元の人たちと触れ合う中で、あらためて気付くことがあった。

雇用不足が若者の流出を招き経済が停滞、さらなる雇用不足を招く…。「離島は30年後の日本の縮図といわれているが、行って初めて実感した。こういうところが元気でなければ、日本全体が元気でなくなる」

一方で、奥尻を盛り上げようと尽力する人たちとも知り合えた。ウニやアワビなど豊かな魚介類とともに海水浴のできる海岸があることから、島の土産物となるビーサンを作ろうという企画が進んでいった。

ビーサンのデザインは島唯一の高校である北海道奥尻高校の生徒たちから募集した。寄せられたデザイン約20点を丸井今井札幌本店に展示し、客による人気投票を実施。昨夏、優秀作品3点を商品化し同店や島内の民宿などで販売すると、地元のマスコミに取り上げられ、話題を集めた。

しかし、「一過性のものであってはいけない」と中島さん。行政や地元観光協会などにとって地震発生21年以降、どう話題をつくるかが重要だと考える。

今年は6月に、札幌三越でビーサンデザインコンテストの第2弾を予定。商品化後は、生徒たちに販売体験をしてもらうことも検討中だ。

中島さんは言う。「ゆくゆくは、高校生がデザインしたビーサンを『島ビーサン』としてブランド化できれば。島の現状を一気に変えることはできないが、(活性化に向け)少しずつ時間をかけて取り組んでいきたい」

◆奥尻島

面積は143平方キロメートル。島全体で奥尻町を成し漁業や観光業を主な産業とする。町によると、1961年には8200人超だった人口は年々、減少を続け今年4月末時点で2951人。北海道南西沖地震では島内で約200人の死者・行方不明者を出した。

【神奈川新聞】


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