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【照明灯】「『いつか』なんて、絶対ない」

社会 神奈川新聞  2014年05月11日 11:01

芸術家・岡本太郎さんは「芸術は爆発だ」以外にも印象に残る言葉を残している。その一つが「『いつか』なんて、絶対ない。いつかあるものなら、今、絶対あるんだ。今ないものは、将来にも絶対にない」だった

▼裏を返せば、今あるものは過去に絶対あった、ということになろう。明治時代の新聞を調査した経験のある県警幹部によると、現代の振り込め詐欺に類する例が既に見られた。「旅先で病気になったので治療代を送れ」といった手口だった

▼3次元のデータがあれば、あらゆる複雑な立体を再現できる3Dプリンターの画期的な能力に驚き、感じ入った覚えがある。技術の進歩がもたらす価値にばかり興味が向かい、犯罪への悪用については考えが及ばなかった

▼3Dプリンターで製造した殺傷能力のある拳銃を所持したとして県警は9日、川崎市に住む大学職員の男(27)を送検した。武器もつくれるとして業界から危険性が指摘され、「起こるべくして起きた」との声も聞かれた

▼犯行につながる構造の似た先例はあった。技術革新が利便性などを提供した半面、悪の温床になったインターネットだ。安全・安心を守る立場にとって、過去の事例との類似性に照らし、犯罪の可能性を想像する力が求められている。

【神奈川新聞】


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