1. ホーム
  2. 社会
  3. 【社説】鎌倉市のごみ問題 「危機」に解決の道筋を

【社説】鎌倉市のごみ問題 「危機」に解決の道筋を

社会 神奈川新聞  2014年04月09日 10:53

鎌倉市のごみ処理施策が迷走を続けている。市内2基の焼却場のうち、老朽化などで1基を2015年3月に停止する。そのため、市民や事業者は年間8千トン分の燃やすごみを減らさなくてはならない。「危機的状況」と形容する松尾崇市長は、対策の柱として家庭系ごみの戸別収集と有料化を掲げている。

昨年10月の市長選で、新人候補がこの方針に反対し、争点となった。松尾市長は約3万3千票を得て再選されたものの、特定の支持基盤を持たない新人も2万票余りを獲得し、反対の根強さを裏付けた。

市長はことし2月、市民説明会で「経費が掛かる」などとして反発の強い戸別収集をいったん先送りし、10月から有料化のみを先行すると表明、準備を進めてきた。

だが、2月の議会で示した条例改正案では「家庭系一般廃棄物(規則で定めるものに限る)を排出する場合は、規則で定める収集袋を使用しなければならない」と明記しながら、どの品目を有料化の対象にするかを示す規則は「作成中」として明らかにしなかった。

規則は議会の議決が必要な条例と違い、首長の裁量次第だ。市議らは「市長への白紙委任になる」と批判。議会が見解を求めた市の顧問弁護士も「地方自治法の条例主義に抵触する恐れがある」と問題視した。

結局、市長は有料化の条例改正案を取り下げ、3月末に議会は閉会。10月の導入は厳しい情勢となった。

議会には「対症療法的なごみ減量策ではなく、新焼却施設の概要など将来に向けたごみ処理計画を示すほうが先だ」として、戸別収集と有料化に否定的な意見も少なくない。

市長はできるだけ情報をオープンにし、施策の意義や費用対効果、市民負担などの影響を丁寧に説明し、周知を図らなければならない立場にある。「有料化はするが、詳細は市長判断に任せてほしい」と言わんばかりの姿勢では、到底理解を得られようはずがない。あらためて重責を肝に銘じるべきだ。

一方、市長との関係がこじれた議会側も反対一辺倒でなく、目の前に迫った危機に対し、現実的な解決策を見いだすべき時期だろう。

鎌倉は年間延べ2千万人近くの観光客が訪れる国内を代表する景勝地である。日々排出されるごみがあふれ、市内で処理できないという失態を招いてはなるまい。

【神奈川新聞】


シェアする

編集部のおすすめ

アクセスランキング

  1. 【台風19号】河川水位が各地で上昇 中小河川も危険

  2. 【写真特集】台風19号 神奈川各地の状況

  3. 【台風19号】「城山ダム放流へ」流域住民、避難所に殺到

  4. 【台風19号】多摩川氾濫の恐れ、川崎市が避難指示

  5. 多摩川・鶴見川、氾濫の恐れ 台風で川崎市が避難勧告

  6. 【台風19号】城山ダム、緊急放流へ 相模川流域で浸水も

  7. 高潮の恐れ、川崎・川崎区の一部に避難勧告

  8. 横浜・瀬谷区の一部に避難勧告

  9. 【台風19号】各地に避難所開設、住民避難が急増

  10. 【台風19号】城山ダム緊急放流、午後5時は見送り