1. ホーム
  2. カルチャー
  3. 職人学校試行が終了 歴史的建造物の保存に向け

職人学校試行が終了 歴史的建造物の保存に向け

カルチャー 神奈川新聞  2014年04月01日 03:00

建具の講義と実演が行われた職人学校講座(小田原市提供)
建具の講義と実演が行われた職人学校講座(小田原市提供)

小田原市内に数多く残る歴史的建造物の保存・活用に向け、市が職人学校の開設を検討するために実施した取り組みが、このほど終了した。現存する古民家などを会場にした試みで、昨年9月から計6回の研修会「職人学校講座」(有料)を開催、延べ253人が受講した。参加者からは開設を希望する声が多く寄せられ、同市も事業の継続に意欲を見せている。

同市によると、今回の取り組みは2013年度の国土交通省の「歴史的風致維持向上推進調査」に採択、実施された。同市は11年6月に「小田原市歴史的風致維持向上計画」の認定を受け、歴史的建造物の保存・活用に向けた手法の検討を進めている。

市内には、旧東海道に面する板橋地域などに、明治から昭和期に建設された数寄屋風の民間建物が数多く現存する一方で、修繕を担える伝統技術を有する職人が減少する課題に直面している。そこで自前で育成する職人学校の可能性を探るため、職人学校講座を試行した。

講座は「棟梁編」が2回、「左官編」「建具編」「大工編」「造園編」が各1回で、昨年9月から今年1月まで計6回開催。内野家住宅や清閑亭など市内の歴史的建造物を会場に、文化財の修繕を手掛ける県内の木工技能者による座学と実技が行われた。

定員は各回20~30人程度、受講料は1千~2千500円として毎回参加を募集。その結果、参加者は延べ32~69人で毎回ほぼ定員に達した。参加者の約4割は現役の職人で、30~40代の建築設計士などを含めた関係者が半数を占めたという。

昨年12月からは「車座」と題した集会も3回開催。専門家のほか、金沢や京都といった先進地の関係者を講師に招き、職人育成組織の設置に向けた課題などを議論した。

同市生涯学習課は「参加者が多く、職人学校のニーズが高いことは確認できた。座学と実技を同時に行うのは難しく、実際に傷んだ箇所を教材として使うこともできなかった」とし、14年度も同省の事業採択を目指して研修会を継続したい考えを示している。

行政が管理状況などを把握した上で職人の活躍の場を提示、所有者の負担を減らしながら歴史的建造物の保存・活用を促していく協働の仕組みづくりが求められている。

【神奈川新聞】


シェアする