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下水汚泥焼却灰の保管限界、横浜市の埋め立て計画凍結2年半

社会 神奈川新聞  2014年03月31日 03:00

コンテナ置き場(左奥)が埋まってしまい、緊急避難的に敷地内の道路に下水汚泥焼却灰入りの袋を置きシートをかぶせて保管している南部汚泥資源化センター=金沢区
コンテナ置き場(左奥)が埋まってしまい、緊急避難的に敷地内の道路に下水汚泥焼却灰入りの袋を置きシートをかぶせて保管している南部汚泥資源化センター=金沢区

住民らの反発を受け、横浜市が放射性物質を含んだ下水汚泥焼却灰の埋め立て計画を凍結してから2年半が過ぎ、焼却灰の保管スペースが限界を迎えている。市は南本牧廃棄物最終処分場(中区)の陸地部分に埋め立てるなどの安全対策を講じ、地元町内会から試験埋め立てへの了承を得たが、港湾関係者は反対姿勢を堅持。市は緊急避難的に保管スペースを拡張する一方、「引き続き丁寧に説明し理解を求めていく」としているが、事態打開への道筋は見えてこない。

市環境創造局によると、市内2カ所にある汚泥資源化センターで保管している焼却灰は2月末時点で計約3万1800トン(南部約2万1千トン、北部約1万800トン)。現在も1日40トンペースで発生しており、改良土に有効利用する10トンを除く30トンをコンテナや袋に詰めて保管し続けている。

北部(鶴見区)はまだ余裕があるが、南部(金沢区)では当初3月末までとしていた保管スペースが3月中旬で満杯となり、現在は敷地内の道路に緊急避難的に保管している。南部の担当者は「もって2~3カ月ではないか。この状態が続くと、業務に支障を来しかねない」と懸念する。

市が保管している焼却灰の放射能濃度は最高で1キロ当たり約6500ベクレル。当初は国が示した埋め立て可能とする基準(8千ベクレル)以下だとして同処分場の内水面への埋め立てを計画していたが、住民らの反対を受けて方針を変更。現在発生している焼却灰(1キロ当たり300~600ベクレル程度で推移)に限り、内水面ではなく陸地部分に埋め立てるという安全面での配慮を打ち出し、住民らの理解を得ようとしている。

市が方針を転換したことで、最終処分場周辺の町内会は対応を軟化させ始めている。本牧・根岸地区連合町内会の岩村和夫会長は、不測の事態への対応や焼却灰の放射線量のモニタリングなどの条件付きで試験埋め立てを了承。詳しい条件については今後市と協議していくとしており、「試験埋め立てできちんと安全性が確認されれば、本格埋め立てに向けた話し合いに入れるのではないか」と話している。

一方、港湾関係者からは市の姿勢に対し厳しい批判の声が上がっている。市は2014年度予算に焼却灰の埋め立てに関わる経費として約2億9900万円を計上した。これに対し、横浜港運協会などは「これまでの話し合いを無視し、埋め立てを実施する前提での一方的な内容」と批判。「原発事故前の安全基準である1キロ当たり100ベクレル以下でなければ、いかなる埋め立ても承認できない」として、試験埋め立て計画の即刻中止を求めている。

市環境創造局の小浜一好下水道施設部長は「予算は計上したが、4月から待ったなしで埋め立てるというわけではない。理解を得られるまでは埋め立てない」と説明するが、市の考えと港湾関係者の求める埋め立て基準との隔たりは大きい。小浜部長は「安全性については自信を持っている」とした上で、「われわれとしても早期解決に向け努力してきたが、心配される方々の思いも分かる。これまでと同様、丁寧に説明し、理解を求めていくしかない」と話している。

【神奈川新聞】


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