1. ホーム
  2. 社会
  3. 亡き先輩と二人三脚 養護学校教諭作成手作り絵本、藤沢の図書館で6冊展示

亡き先輩と二人三脚 養護学校教諭作成手作り絵本、藤沢の図書館で6冊展示

社会 神奈川新聞  2014年03月29日 10:15

「多摩川とともに」の原画を手にする星野さん。右奥に並んでいるのが、水野さんと共作した絵本の数々=藤沢市総合市民図書館
「多摩川とともに」の原画を手にする星野さん。右奥に並んでいるのが、水野さんと共作した絵本の数々=藤沢市総合市民図書館

県立藤沢養護学校(藤沢市亀井野)教諭の星野英俊さん(52)が先輩教諭の水野三郎さんと共作した絵本が、同市総合市民図書館(湘南台7丁目)に並んでいる。水野さんは昨年がんで亡くなったが、教え子や保護者らの「多くの人に見てもらいたい」との声で、遺作を含む6冊の展示が実現した。

小学生、殿様、団地の遊具のライオン…。登場人物や物語のテーマは多岐にわたるが、どの絵本もアクリル絵の具で描かれた温かい作風が特徴的だ。

星野さんと水野さんが絵本作りを始めたのは2005年。前任校の県立瀬谷養護学校(横浜市瀬谷区)の発表会で、生徒が取り組むオリジナル劇の企画を一緒に手掛けたのがきっかけだった。

台本は星野さんが担当。水野さん作の原画を生徒が切り絵に仕上げ、投影機で舞台に映した。村人と鬼の触れ合いを描いたストーリーに合わせて桜祭りの風景が広がる。生徒や保護者の間で話題となり、異例の再演を行うほどに。2人は意気投合し、その後も自主的に絵本を作るようになった。半年ほど掛けて一つの作品を仕上げ、校内で発表してきた。手作り絵本のコンクールで入賞したこともある。

最後の作品となった「多摩川とともに」は、小学生の女の子が川崎市に住むおじいちゃんを訪ね、川の歴史を聞かせてもらいながら成長する物語だ。

星野さんは水野さんと12年の夏休み、多摩川の保全活動をしている男性を取材した。水野さんは元気そうに振る舞っていたが、ほおはこけ、レストランで食べた料理も残していた。「口には出さなかったが、かなり体調が悪かったと思う」。それでも、夏の終わりに絵本は完成した。

水野さんは直後の9月から休職。末期の胃がんだった。そのまま翌年5月、56歳で帰らぬ人となった。

「最後の絵本には、水野さんの執念のようなものを感じた」と星野さん。「生徒からも同僚からも慕われる人だった。その優しさが表れている絵を味わってほしい」と話した。

展示は4月8日まで。問い合わせは同図書館電話0466(43)1111。

【神奈川新聞】


シェアする