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数年ぶり足柄茶農家が誕生、苗木4000本に夢膨らむ

社会 神奈川新聞  2014年03月27日 09:00

足柄茶の栽培を始めた原さん=中井町井ノ口
足柄茶の栽培を始めた原さん=中井町井ノ口

かながわブランドとして増産を目指している足柄茶の生産農家に、企業を定年退職した中井町井ノ口の原恒司さん(65)が仲間入りした。26日には自宅近くの畑に約4千本の苗木を植え、5年後の収穫に夢を膨らませている。農家が協力し合って作業を担う地域一体の取り組みが決め手となり、一歩を踏み出した原さん。町内で数年ぶりに誕生する新たな茶畑を前に「おいしいお茶を作りたい」と意気込んでいる。

里山風景が広がる中井町の一角。原さんの約20アールの畑に知人や地元農家ら計13人が集まり、半日かけて数十センチの苗木を植えた。原さんは腰ほどの高さで広がる隣の茶畑に視線を向け「摘み取れるまでに成長してくれるのが楽しみだ」と目を細める。

14年前に父から畑を譲り受けた原さん。コンピューターシステムを手掛ける企業に勤める傍ら、兼業農家として野菜栽培を続けてきたが、すべて手作業による野菜づくりは負担が重かった。定年後の作業負担を考え農業への従事を迷っていたが、地元農家の協力体制が整い摘採機で収穫できる茶栽培に魅力を感じ、町の補助金を活用して堆肥や苗木を購入した。

県内の茶栽培は、県西部を中心に16市町村の農家約490戸に広がっている。休耕地の活用や地元農家が協力して高齢農家の作業をサポートする取り組みも始まり、生産基盤の維持・拡大が期待されている。

中井町では2006年、地元農家が「町茶生産組合」をつくり、栽培が始まった。現在は農家14戸が加入し、3年前から収穫している。同組合が購入した摘採機を共同使用し、複数の農家が協力して作業を行っており、生産拡大を見据えて支え合っている。

原さんは「仲間がいるのは心強い。後継者は決まっていないけれど、ベースを作っておけば誰かがついてきてくれるはず」。同組合の関野高市組合長(63)は「6、7年ぶりに仲間が増えた。うれしいね。私も頑張らないと」と歓迎していた。

【神奈川新聞】


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