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日産雇い止め訴訟、横浜地裁が元派遣社員らの請求棄却

社会 神奈川新聞  2014年03月26日 09:45

判決を批判する岡田さん(前列右から2人目)ら原告と弁護団のメンバー=横浜市中区
判決を批判する岡田さん(前列右から2人目)ら原告と弁護団のメンバー=横浜市中区

派遣先の日産自動車(横浜市)などから不当な雇い止めや契約解除を受けたとして、元派遣社員ら5人が、同社と日産車体(平塚市)、派遣会社に対し解雇の無効やぞれぞれ約300万円の慰謝料などを求めた訴訟の判決が25日、横浜地裁であり、阿部正幸裁判長は原告側の請求を棄却した。また、賃金の支払いを求めた訴えは却下した。原告側は控訴する方針。

原告は、日産自動車テクニカルセンター(厚木市)や、日産車体湘南工場(平塚市)、日産自動車横浜工場(横浜市)で働いていた元派遣社員や元期間従業員の男女。それぞれ8カ月から6年3カ月勤務していたが、リーマン・ショックの影響で2009年2月から3月にかけて、4人が契約期間満了後に、1人が契約期間途中に解雇された。

長期にわたる雇用実態などから派遣先との間に労働契約が成立し、解雇には合理的な理由がないとする原告側の主張に対し、阿部裁判長は、人員削減の必要性を認めたほか、雇用実態についても「労働者派遣法に直接違反はない」などとして退けた。

日産自動車は「当社の主張が認められ、妥当な判決と考えている」とコメントした。

(報道部)

◆「非正規の権利踏みにじる」

派遣期間が終了すると直接雇用に切り替え、しばらくしてまた派遣社員に戻す-。労働者派遣法では、製造業の派遣期間は最長3年間に制限されてるが、原告の1人の岡田知明さん(39)は日産横浜工場で働いた約4年半、派遣従業員と期間従業員を行ったり来たりしながら、同じ職場で勤務を続けた。

「地位のキャッチボール」。原告側がこう指摘した雇用実態に対し、判決は「派遣期間の制限違反を回避する意図が推認される」と原告側の主張に一定の理解を示した。一方で、従業員を離職後1年以内に再び派遣従業員として雇用することを制限する2012年の法改正前だったことから、「当時の労働者派遣法の制限に直接違反するものとはいえない」として、違法性は認めなかった。

判決言い渡し後、会見を開いた弁護団は「組織的な脱法行為を無視し、非正規労働者の権利を踏みにじる内容だ」と判決を批判。継続雇用のため、日産側の意向に従うしかなかった岡田さんも「(企業側の都合で)『使い捨て』をしやすい国になる」と怒りをあらわにした。

訴訟はリーマン・ショック後、自動車業界で非正規雇用の契約打ち切りが相次いだ時期から約5年に及んだが、原告側の主張はことごとく退けられた。

原告の40代の女性は、語気を強めた。「法の目をかいくぐってでも利益を出せばいいという会社に対し、強い憤りを感じる。派遣労働者や期間従業員の労働環境の改善につなげるため、戦いを続けたい」

【神奈川新聞】


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