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【社説】水素燃料電池車、環境未来都市が先導を

経済 神奈川新聞  2014年03月18日 12:14

究極のエコカー(環境対応車)と呼ばれる水素で走る燃料電池車(FCV)の普及に向け、横浜市が力を入れている。

技術開発では日本の自動車メーカーが先行しているとされるFCVは次世代エコカーの本命とも言われ、注目度が高い。

環境未来都市として低炭素社会の実現に取り組んでいる同市がFCVの成功事例を蓄積し、ノウハウを広く発信すれば都市アピールにもなる。自動車メーカー、水素エネルギー供給事業者と協力し、普及の先導役を積極的に担ってもらいたい。

FCVは水素と酸素を反応させて電気をつくり、動力源にしてモーターを回転させて走る。二酸化炭素、窒素酸化物、粒子状物質などの排出がない。

排ガスを出さないという点では電気自動車(EV)と一緒だが、差が出るのは充填(じゅうてん)時間で、EVより短時間でガソリン車に劣らない距離を走ることができる。究極のエコカーと言われる理由だ。

かつては巨額の開発費がネックとなっていたが、コスト削減が進み、トヨタ自動車は2015年までの市販車の販売開始を計画している。日米欧の各メーカーそれぞれが提携を組むなど、複数のグループが実用化に向けてしのぎを削っている。

車両の開発とともに、燃料となる水素についても、国内では供給事業者が連携し、全国で100カ所程度の水素ステーションを整備する方針を打ち出している。

JX日鉱日石エネルギーは、泉区内で既存のガソリンスタンドに併設する形で水素スタンドの設置を計画している。実証実験用として運用中の旭区の水素ステーションと併せ、商用化を目指す。

こうした流れの中で、市は14年度の予算案に3カ月間のFCVリース費用(約60万円)や普及促進のためのPR費用を盛り込んだ。

また、燃料電池バス導入に向けた調査費も計上した。試験運行も実施する計画だ。自動車メーカーから燃料電池バスを借り、車両性能などについて検証するという。

安全面に十分配慮しながら、市街地に廉価な水素供給網が整えば、普及に弾みがつくだろう。

化石燃料や原子力に頼らない水素エネルギーの実現に向け、官民一体となった取り組みをスピード感を持って進めたい。

【神奈川新聞】


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