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【社説】在宅ケア重視、支え合う地域づくりを

社会 神奈川新聞  2014年02月27日 00:00

厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会は2014年度の診療報酬改定で、在宅医療を担う主治医(かかりつけ医)の役割を地域で重視する方向性を打ち出した。

団塊の世代が75歳以上となり都市部で急速に高齢化が進む「2025年問題」を見据え、在宅ケア重視の医療・介護体制構築は差し迫った課題だ。大病院偏重を改め、かかりつけ医重視へ道筋を付けることは、超高齢社会への備えといえよう。

加齢に伴う心身の疾患、障害を抱えた人のケアは、医療や介護の範ちゅうに収まらない。介護保険制度が創設されたとはいえ、高齢者介護をめぐる家族の負担は計り知れない。単身者世帯や認知症の人については、地域ぐるみで支え合い、見守る体制づくりが急がれよう。

かかりつけ医が高齢者医療で重要な役割を担うのは、社会の流れである。ただし、24時間対応や介護との連携など、診察・治療以外にもさまざまなケア、サポートが求められる。地域の医師が単独ですべてを担うのは困難といえよう。

超高齢社会の青写真として「住み慣れた地域で安心して暮らせる社会」の実現は、全国共通の目標である。医師・看護師や総合病院をはじめ、家族、行政、地域住民、民間団体といった地域の多様な構成主体が連携してこそ、理想が現実となるのではないか。

在宅ケアへ転換の中で求められるのは、高齢者の生活全般にわたる支援や生きがいの確保といった視点であろう。「普段通り、当たり前の生活」を過ごせる環境整備は、これからの地域コミュニティーの役割の一つになろう。

高齢化への対応として、医療と介護の連携が急務とされて久しい。しかし、両分野ではそれぞれ職種が多岐にわたっていたり、専門知識が必要だったりして、なかなか進んでいないのが現状だ。

特に認知症の人のケア、サポートは、医療、介護の両面で専門的なアプローチが不可欠である。早期発見、治療を円滑化するために、気軽に足を運べる相談窓口の開設が有効といえよう。

県内では無料で臨床心理士が相談、検査を行っている先進事例があるが、財源は核となる総合病院が負担している。基礎自治体は当事者の目線に立って、地域医療・福祉の基盤強化へ一層力を注ぐべきである。

【神奈川新聞】


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