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市大先端研究〈9〉生活習慣病 個別化医療を目指す

社会 神奈川新聞  2014年02月07日 00:00

ユビキタス血圧計の研究(試作品を開発)。小型の上腕カフ(腕帯)にコードレス、チューブレスで一体化し、タブレットやスマホに送信する
ユビキタス血圧計の研究(試作品を開発)。小型の上腕カフ(腕帯)にコードレス、チューブレスで一体化し、タブレットやスマホに送信する

がん、高血圧症、糖尿病など国内の生活習慣病の患者は数千万人に及ぶといわれる。循環器、腎臓・高血圧を専門分野とする梅村敏教授らの研究グループは「いつどこでも自宅でも簡単に」を目標に掲げ、血圧や心拍数などを測定できる生体情報測定センサーの開発と、測定した情報を通信で送り、診断、指導していく健康ネットワークの構築に取り組んでいる。

現在、生活習慣病をめぐり、予防や管理、治療を目的とした研究が数多く行われている。梅村教授は「こうした機器の開発やネットワークづくりのためには、生活習慣病を引き起こす原因に対してさまざまなアプローチを行い、そのメカニズムを解明していくことも必要だ」との考えを示す。

最近では、研究グループは、生活習慣病に関連するタンパク質の解析や、動脈硬化症のリスクを予測する自己抗体(自己の細胞、組織に対してできた抗体)の解析に成功した。

このほか、アミノ酸分画による早期がんやメタボリック症候群診断のマーカーとしての活用(栃久保修教授)、膵β細胞(インスリンを合成分泌する細胞)を増加させる糖尿病新規治療法の開発(内分泌・糖尿病内科の寺内康夫教授ら)、漢方を用いた統合医療、高血圧症感受性遺伝子の解明などの研究も推進。生活習慣病やがんの予防や治療を個々の患者に合わせて実施するオーダーメード(個別化)医療の実現を目指している。

また、動脈硬化によって下肢の動脈が詰まり、痛みに苦しんだり、下肢の切断などに至る末梢血管患者の治療として、骨髄や血液からの幹細胞移植を行う先進医療を厚生労働省の認可を受けて、横浜市立大学付属病院で実施している。

梅村教授は「こうした研究がさらに進むことで、脳血管障害による寝たきり患者やがん死亡患者、透析などで大量の医療費を必要とする患者を減らす効果も期待できるだろう」と話している。

(医学部循環器・ 腎臓内科学教室)

【神奈川新聞】


腕時計型カロリーストレス計をセイコーエプソン社と共同開発。1日の精神ストレス、身体ストレス、カロリー消費量を積算する。
腕時計型カロリーストレス計をセイコーエプソン社と共同開発。1日の精神ストレス、身体ストレス、カロリー消費量を積算する。

梅村 敏教授
梅村 敏教授

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