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障害気にせず癒やしの温泉、「専用旅館」今秋オープン/厚木

社会 神奈川新聞  2014年01月03日 00:49

建設予定地で旅館の構想を練る古根村さん=厚木市七沢
建設予定地で旅館の構想を練る古根村さん=厚木市七沢

障害者も家族も、一緒に安らげる温泉旅館を-。厚木の奥座敷・七沢温泉の旅館の若き3代目が、そんな旅館の開業を夢見ている。重度障害のある弟を持ち、本人の苦労や家族の介護の大変さを知ればこそだ。「障害者と家族の癒やしのためにご奉仕したい」と、意気込んでいる。

温泉旅館「福松」(厚木市七沢)の3代目・古根村拓哉さん(25)。日本料理店の老舗「なだ万」で料理人の修業を積み、現在は父親の正広さん(47)を手伝う。

「障害者専用旅館」の着想の根底には、弟の健人さん(21)の存在がある。健人さんは重度の脳障害があり、普段は寝たきりで介助が必要な生活をしている。大きな風呂や色彩豊かな食事など「非日常」を楽しめるのが旅行や旅館の魅力だが、障害ゆえに設備が整わなければ楽しさを満喫することができない。移動や入浴で介護する家族にも通常以上の負担がかかる上、周囲の視線も気になり、「ゆっくりくつろげる空間であるはずの旅館が、負担を増やしてしまっている」と古根村さん。

また七沢温泉の近くには、全国的に有名なリハビリ施設・神奈川リハビリテーション病院があり、付き添いのため旅館に長期滞在する家族も。家族の気持ちを知るだけに、古根村さんは「家族のための癒やしの湯を」との思いを温めてきた。

専用旅館は福松の向かいの敷地に建設。これまでの介護経験を生かし、バリアフリー対応の平屋の一軒家に。車いす利用者も入れるひのき風呂などを備える。対面式のカウンターで、硬さやアレルギーにも配慮した鉄板懐石料理を拓哉さんが作る。「他人の目を気にせずくつろいでほしい」と、1日1組限定にする予定だ。

オープンは2014年秋の予定で、建設資金は日本政策金融公庫厚木支店が融資。一部は民間の投資ファンド運営会社「ミュージックセキュリティーズ」(東京都千代田区)を通じてファンドを立ち上げ、出資金を募っている。1口5万円で、同公庫の融資は目標額の1500万円達成が条件になっている。

旅館では健人さんも接客する予定で、拓哉さんは「初めて弟と一緒に働けるのも楽しみ」と夢見ている。

問い合わせは、福松電話046(248)0324。ファンドについては、ミュージックセキュリティーズ電話03(5948)7301。

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