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「攻めの農業」とは? 活路模索する生産者/横須賀

経済 神奈川新聞  2014年01月01日 18:30

「これからの農業はサバイバル」と意気込む岩澤さん=横須賀市林
「これからの農業はサバイバル」と意気込む岩澤さん=横須賀市林

激しい価格競争や後継者不足など、さまざまな課題を抱える農業。活路を開こうと模索する岩澤安史さん(36)=横須賀市林=は、消費者にダイレクトで届く直売にこだわり、自ら販路を築く農業に取り組んでいる。若き生産者のキーワードは「攻めの農業」だ。

「どの業界も同じかもしれないが、これからの農業はサバイバル状態。単に作って売っているだけでは自然淘汰されてしまう」。岩澤さんは言い聞かすように言った。

キャベツやトマト、キュウリなどを育てる畑の面積は温室も含めて130アール。「江戸時代くらいからやっているのかな」。代々続く農家の跡取りで岩澤さんが5代目だ。東京農大短大部を卒業後にこの道に進み、今年で14年目になる。

当初から意識していたのは、値段設定などに融通の利く直売だった。通常、市場に出荷すれば、自分の作った野菜が県外に運ばれることもある。「地元で取れたものを地元の消費者に食べてもらいたい」。昨今の食品表示の偽装など、安全な商品を求める消費者の関心は高まる一方。「直販は手渡し。消費者の思いに応えるには責任を持ち、逃げることはできない」。消費者の厳しい目を逆に、チャンスと捉えている。

「農業が自営業ならば、営業もしなければならない」が持論だ。例えば行きつけのバーの店長に「うちの野菜使いませんか?」と尋ねて、「ほしい」と言われれば契約は成立する。足で稼ぐ努力がそのまま成果として表れる。

一方で、「農家はともすれば一日、誰ともしゃべらず終わってしまう」。だから仲間はもちろん、サラリーマンの同級生などネットワークを広げ、外に出て情報収集やビジネスにつながる糸口を探し続けた。

思うようにいかない時期もあった。3年前、地元スーパーに野菜を卸していたが、担当係が変わって徐々に扱われなくなった。現状を打破すべく、2012年11月、同市武山地区で農業に携わる若手6人で「若耕人’S」(わこうず)を結成。活動資金0円から始まったが、そろいのTシャツを作り、SNS(ソーシャルネットワーク)などを活用した広報にも精を出した。専門家を通じた勉強会なども催し6人共通の畑も確保。肥料や農薬の使用法などを学び、より良質な品種の改良に努めた。

そんな活動が市内デパートの目に留まり、昨年11月から直売の朝市を始めた。朝市は今月28日も行う予定で、新鮮野菜は早くも反響を呼んでいる。

積極的に手を打ち、販路を切り開く取り組みは始まったばかりだ。岩澤さんは熱く語る。「未来の展望は読めない。でも、自分たちには伸びしろがある。何事も一生懸命やれば思いは伝わる」。攻めの姿勢で新たな農業の手法を実践し続ける。

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