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鎌倉駅の発車メロディー「暗い」?、ネットで話題に/神奈川

社会 神奈川新聞  2013年12月30日 22:53

電車が到着し発車するたび、唱歌「鎌倉」が流れるホーム=JR鎌倉駅
電車が到着し発車するたび、唱歌「鎌倉」が流れるホーム=JR鎌倉駅

JR鎌倉駅の発車メロディーが「暗い」と、利用者らの間で話題になっている。実際に聞いてみると、確かにちょっと暗い…? 市民なら誰でもこの曲を知っているわけでもないようだ。年間延べ1900万人を迎える観光地、その玄関口を彩る曲の歴史や魅力とは-。

ルールルルルルルー、ルールルルルー…

電車が停車するたび、短調のゆったりとしたメロディーがホームに響き渡る。

「確かにちょっとね」。市内在住の男性会社員(38)は苦笑いをした。インターネットを開けば「鎌倉の発車音が物悲しすぎる」といった書き込みがちらほら。公立高校1年の男子生徒(16)も「電車好きの友達が『ほかの駅と比べてもかなり暗い』って。何ていう曲か? 知りません」。

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この曲は「鎌倉」。ホ短調の旋律に乗せて「大仏」や「建長」「円覚」など社寺・名勝を巡る歌詞が8番まで続く。

鎌倉駅には7月に採用された。「鎌倉らしい発車メロディーを」と地元の関係団体が選び、鎌倉育ちのフルート奏者・吉川久子さんが編曲、演奏。JR東日本初のフルート音源としてデビューした。ホームにいた別の女性(69)は「小学生のころ習ったから懐かしい。良い選曲ですね」とうっとり。どうやら、ある年齢以上の市民はこの曲を知っているようだ。

市教育委員会によると「鎌倉」は1910(明治43)年、「尋常小学読本唱歌」として発表された。かつては音楽の教科書に載っていたが、58年に告示された新訂版以降、姿を消した。それ以来、鎌倉市内の学校でも「歌われる機会はほとんどない」という。

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ただ、「地域の文化を教育に活用しようという気風がもともと鎌倉にはある」と市教委。鎌倉彫教室や狂言鑑賞などが市内の児童らを対象に開かれ、10月に再選された松尾崇市長も政策集に「子どもたちが鎌倉の歴史や文化を学ぶ機会を充実させる」と掲げた。

同時期に作られた「横浜市歌」(09年)が、横浜市立学校の音楽の授業や入学式・卒業式で歌い継がれている例もある。鎌倉市教委は唱歌「鎌倉」を「地名だけでなく歴史も歌い込まれた歌。発車メロディーになったことも一つの契機に、大切にしていきたい」と話す。

確かに歌詞をよく読めば、源義経を思い静御前が詠んだ歌の一節や、鎌倉幕府を滅ぼした新田義貞の伝説、2010年に倒壊した鶴岡八幡宮の大イチョウも登場する。鎌倉歩きのお供にはぴったりかもしれない。

正月三が日には、多くの初詣客が訪れる鎌倉。JRの駅に降り立った際には、発車メロディーにも耳を傾けてみてはいかが?

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