1. ホーム
  2. 生産力の向上めざし中玉トマトづくりに全力投球

次代につなぐ 横浜農業 episode05
生産力の向上めざし中玉トマトづくりに全力投球

神奈川新聞  2013年12月19日 00:00


 JA横浜の連載「次代につなぐ横浜農業」。次代を担う農業者とその取り組みをリポートし、橫浜のこれからの農業の姿を紹介するシリーズです。


軒の高い温室で8メートルにも伸びる中玉トマト「カンパリ」
軒の高い温室で8メートルにも伸びる中玉トマト「カンパリ」

自然な流れで継承
 11月27日、横浜市保土ケ谷区の山本温室園で房取りの中玉トマトの出荷が始まりました。同園がトマトの生産を始めたのは、園主の山本正広さん(58)のお父さんの代から。小さなパイプハウスと露地栽培で始まりました。今から50年前です。トマトの生産を拡大したいと就農に前後して温室2棟を設置。大玉トマトを中心に多彩な品種を手掛けました。そして7年前、長男・泰隆さん(31)の就農から中玉トマト「カンパリ」の生産に力を入れるようになりました。「意志があるのなら、農業を継いでほしい」。正広さんの思いも届きました。「先代が10年、私が40年。うちの技術がこれからも続いていくことが何よりもうれしい」


泰隆さん(左)のトマトづくりを正広さんの経験がサポート
泰隆さん(左)のトマトづくりを正広さんの経験がサポート

先進技術を自ら農園に
 「子どものころから農作業を見ていて、いつかは農業をやるだろう」と考えていた泰隆さん。大学では生物工学科に進学し、温室内の環境管理や栽培法を学びました。

 学生時代、視察研修でオランダの先進的な農業を目の当たりにし、大規模なシステムから生まれる圧倒的な生産力に衝撃を受けました。「こういう農業がやりたい」。大学を卒業して1年間、栃木の農業生産法人でトマト栽培を学んだ後、600坪の温室で本格的にカンパリの栽培を始めました。

 「トマトの栽培技術は、3年や5年で習得することは難しい」と語る正広さん。「トマトの木や葉の状態を見て適切な対応を図っていかなければならない。いろいろな経験をして、覚えてもらいたい。でも、技術的にはすぐ私を追い越すでしょう」と、泰隆さんに期待します。

 「大学では理論的なことを学びましたが、実際は甘くないですね」と泰隆さん。それでも山本温室園のカンパリの生産量は年々増え、今シーズンは15トンが目標。


酸味と甘味のバランスがよく、濃厚な味が特徴。房のままパック詰めで出荷
酸味と甘味のバランスがよく、濃厚な味が特徴。房のままパック詰めで出荷


 カンパリは食卓にも浸透し、市場出荷だけでなく、直接青果店に卸す機会も多くなりました。また、直売所に直接買いに来るシェフの姿も増えました。「トマトといえば保土ケ谷の山本温室園と知られるようになりたいです」。6月まで出荷に忙しい日々が続きます。

 父の世代が積み上げた農業も大切だし、若い世代のことも尊重したい」と語る直信さん。伝統の農業と新しい力が両輪になって、地域の農業はさらに広がりを見せます。



企画・制作:神奈川新聞社クロスメディア営業局


シェアする