1. ホーム
  2. 鉄道コラム前照灯(172) 名古木の収穫祭

鉄道コラム前照灯(172) 名古木の収穫祭

神奈川新聞  2013年12月06日 12:00

収穫祭の参加者が持ち寄った70種類以上の手料理と一升瓶の一部=2013年11月24日、秦野市名古木の棚田
収穫祭の参加者が持ち寄った70種類以上の手料理と一升瓶の一部=2013年11月24日、秦野市名古木の棚田

紅葉には一升瓶がよく似合う。丹沢や大山は色を増しつつある。週末の日曜日、小田急線の伊勢原、秦野駅前は散策へ向かう大勢のハイカーたちでにぎわった。山歩きを前にした山ガールたち(ちょっと年配者が多い)。水の補給やトイレのタイミングの打ち合わせに余念がない

▼わたしはザックに命の水(日本酒)の一升瓶を潜ませてある。秦野から蓑毛行きバスで10分弱の名古木で下車。丹沢登山口から、はるか遠いゆえ「不審な人物」との視線を浴びたような気がした。目的は棚田の収穫祭である

▼午前10時半の棚田、既に大宴会が始まっていた。一人一品持ち寄り、偽装などない自慢の手料理70種類が並ぶ。準主役の一升瓶もごろごろある。議論好きな面々は勢いよく命の水を補給する

▼世界一の大型コンピューター制作に挑戦した地元在住・在勤のエンジニア。定年後は森づくりに取り組む。里山再生とは常緑広葉樹の森を復活させること。そう力を込め、ぐいっと酒をあおる。鎮守の森がもともとの風景、神社でドングリを拾い里山に植えよう。別の酒飲みが気勢を上げる

▼正午までにはみなできあがった。丹沢の紅葉は東北の寒冷地とは異なる。里山の落葉広葉樹の赤は穏やかだ。モミジよりの参加者の顔のほうが赤かった。(O)

【神奈川新聞】



シェアする