1. ホーム
  2. 経済
  3. マグロ肥料で畑に潤い、加工残渣を有効活用、ナスやピーマン好評/三浦

マグロ肥料で畑に潤い、加工残渣を有効活用、ナスやピーマン好評/三浦

経済 神奈川新聞  2013年09月11日 00:15

三浦市の産業の柱である水産業と農業がタッグを組み、マグロの加工残渣(ざんさ)を堆肥として有効活用する取り組みが行われている。この夏、第1弾としてナスやピーマンが収穫され、味も好評を得た。今後は特産のダイコンにも使用される予定だ。肥料まで三浦産の“マグロ野菜”として注目を集めそうだ。

連携したのはマグロ加工問屋の三崎恵水産(三崎町城ケ島)と川島農園(原町)。三崎恵水産が堆肥化の設備を購入し、冷凍マグロをカットする際に出る残りかすのうち1日30~50キログラム程度を乾燥させて肥料化している。三浦商工会議所青年部を通じて知り合った川島農園が、6月から試験的な使用を始めた。

“マグロ肥料”は同農園のナスとピーマンの畑(計約4千平方メートル)に追肥としてまかれた。同農園の川島義徳さん(43)は当初、早期の効果は見えにくいだろうと考えていた。化学肥料に比べて有機肥料は効き方が穏やかなためだが、予想を上回る結果に驚いた。「2~3日後には野菜の顔が変わった」

成分データを見ると、野菜の成長を促す窒素が突出して高かった。例年よりも葉が落ちる量が少なく、新芽が出るのも早かった。7月に横須賀市内で開かれた商談会でも「甘い」と好評を得て、9月初めに横浜のデパートで販売した。

もともと同農園は有機肥料を多く使う方針で、植物性だけでなく動物性の肥料も探していた。レストランから出た残渣を試したこともあるが、塩分や油分が多く畑とのバランスが取れない。“マグロ肥料”は川島さんの狙いと合致し、「有機肥料でありながら、化学肥料のように効かせたいときにパッと効いた。残渣を出す場所も魚の種類も一つで、安定している肥料」という。

三崎恵水産が掲げる地場の資源を生かして作物をつくるという「物語」にも共感した。「三浦といえば野菜とマグロ。地元で出る廃棄物が地元で新たな商品を生み出す。すごく面白いと思った」と川島さん。

課題は肥料の量が限られる点で、“マグロ野菜”は限定販売も視野に入れている。川島さんは「大きいことを言えば、TPP(環太平洋連携協定)で輸入作物との競争が激化する可能性もあり、より魅力がある作物をつくらなければならない。その意味でも期待できる」と話している。今後は特産であるダイコンでも使用する予定だ。

【】


シェアする