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2020年東京五輪:「本物を子どもに見せたい」夢舞台に託す希望

スポーツ 神奈川新聞  2013年09月10日 00:38

1964年の公式ブレザーを手に、東京五輪開催決定の喜びを語る藤崎さん=横浜市神奈川区
1964年の公式ブレザーを手に、東京五輪開催決定の喜びを語る藤崎さん=横浜市神奈川区

およそ半世紀を経て、東京に聖火が戻ってくることになった。戦後復興の希望と象徴として語られた1964年の1回目。成熟社会、東日本大震災からの再興の途上に決まった2020年の2回目に人はどんな思いを託すのか。8日早朝に届いた東京五輪開催決定の報に沸く県内の声を聞いた。

手元に残っていた「実物」は招致活動のために寄贈した。「イベントに呼ばれ、最近は仕事ができないくらい忙しかった。決まった瞬間は、拳を振り上げました」。横浜市神奈川区のテーラー「船の制服・藤崎」の藤崎徳男さん(84)は、東京五輪のバレーボール日本代表の公式ブレザーを作った職人だ。

岩手から7歳で東京に奉公に出された。厳しく孤独な修業に耐え、腕を磨いた。「ほかに行く場所なんてなかったから」。20代半ばで農林大臣賞を受賞。公式ブレザーの製作を頼まれた。「これを着た選手が胸を張って行進してきた瞬間、戦後から立ち上がる日本の歩みと、自分の人生の歩みが重なって泣けた」

五輪は「『本物』だけが残っていく場所」と思う。1人のアスリート、一つの物語、1枚のブレザー。重なり合う人間模様が時を超えて語り継がれる。「7年後には91歳になる。何とか2回目を見たいと思ってやってきた。五輪は不滅の祭典。そこにある本物を日本の子どもに見てほしい」

前回の東京五輪で江の島沖で開催されたヨット競技に出場した松本富士也さん(81)=横浜市港北区=も視線を子どもたちへと向ける。「五輪は、いろいろなスポーツがあるということを知ってもらえるチャンス」と話す。プロチームのあるサッカーや、陸上や水泳などの競技が注目を集めがちだが、「どの競技にも一生懸命やっている選手がいて、夢中でやっている人がいるということを、子どもたちが知ることができるのがいい」と力を込める。

パラリンピックも56年ぶりの開催となる。前回大会は日本に刻まれた障害者スポーツの第一歩だった。

国内屈指の障害者スポーツ施設として知られる「横浜ラポール」(同市港北区)は、強化拠点やコーチ派遣に応じることができる。臼井進館長は「協力要請がくればできる限りのことをしたい。パラリンピックは感動があるとともに、障害者への理解が深まる機会だから」。スポーツの力で新しい世の中を切りひらいていく、その一助になればと願う。

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