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次代につなぐ 横浜農業 episode01
後継者にやりがいと夢を

神奈川新聞  2013年07月18日 00:00


 JA横浜の連載「次代につなぐ横浜農業」。次代を担う農業者とその取り組みをリポートし、橫浜のこれからの農業の姿を紹介するシリーズです。


「父には、まだまだ学ぶところが多い」と話す上杉正和さん(右)「農業経営は息子に任せています」と正雄さん=6月下旬
「父には、まだまだ学ぶところが多い」と話す上杉正和さん(右)「農業経営は息子に任せています」と正雄さん=6月下旬

父に見る熟練の技
 横浜市瀬谷区で代々、野菜栽培をしている上杉正雄さん(63)、正和さん(35)親子。約2ヘクタールの広大な畑で、小松菜、ネギなどを栽培します。「うちは1品目の作付面積が広いんです。小松菜も多いと1日500~600束を収穫します」と正和さん。取材で訪れた6月上旬は、小松菜の収穫シーズン。正雄さんが畑で手際良く収穫し束に整えるさまは、熟練の技。県知事認定の「エコファーマー」でもあり、環境保全型農業に取り組んでいます。「まだまだ父にはかないません。父から仕事に対する姿勢を日々、学んでいます」と正和さん。

 農家を継ぐ決心をしたのは、大学4年の時。「父の姿を見ていて、いずれは継ぐのが自然だろう」と、結婚した27歳の時に農業経営全般を正雄さんから任されました。「やるからには、やりがいを持ってもらいたい。働いた分、自分の稼ぎになるのは大事なこと。私も父にそうしてもらいました」と正雄さん。互いに信頼する気持ちが、農業経営を支えています。

 野菜はJA横浜に共同出荷するほか、JA横浜の「ハマッ子」直売所にも並びます。直売所に出す野菜の作付を考えるのも正和さんの仕事。今年はオクラ、ズッキーニ、ニンジン、里芋などを栽培しています。


収穫したばかりの上杉さんの小松菜とブロッコリー
収穫したばかりの上杉さんの小松菜とブロッコリー

一から十まで自分で
 「都市近郊農家の経営は、転換期にきている」と正和さんは感じています。父親の時代は少品目大量栽培での共同出荷が当たり前。しかし共同出荷は相場が大きく変動します。安定した収益を挙げるには、自分で値決めができる直売所での販売は魅力です。「店頭で選んでもらうため、ほかの人が作っていない品目にも力を入れています」。売れ行きが良いと、直売所から追加注文が入ります。そうした手応えが、やりがいにつながるといいます。


小松菜を収穫する正雄さん(右)と、正和さん。広大な畑ながら、丁寧に手入れされており、雑草が生えていない=6月上旬
小松菜を収穫する正雄さん(右)と、正和さん。広大な畑ながら、丁寧に手入れされており、雑草が生えていない=6月上旬


 「一から十まで自分でしなくてはならないのが、農業の大変さ」と正雄さん。周囲でも農家の後継者は減っています。「農家が誇りを持てる収益を得られる仕組みになれば、後継者も育つはず。そうすれば自給率も上がると思うんです。農業をする人に、もっと『夢』を持ってもらいたい」



企画・制作:神奈川新聞社クロスメディア営業局


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