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地裁判決
危険運転適用「常軌逸している」 東名あおり運転、懲役18年 

社会 神奈川新聞  2018年12月14日 21:59

傍聴券を求めて長蛇の列ができた横浜地裁前=14日午前10時5分ごろ、横浜市中区
傍聴券を求めて長蛇の列ができた横浜地裁前=14日午前10時5分ごろ、横浜市中区

 大井町の東名高速道路で昨年6月、「あおり運転」を受けて停止させられたワゴン車が後続車に追突され静岡市の一家4人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職の男(26)の裁判員裁判の判決公判が14日、横浜地裁であった。深沢茂之裁判長は、被告の運転行為と死傷事故に因果関係を認めて同罪が成立すると判断。「常軌を逸している」として、懲役18年(求刑懲役23年)を言い渡した。

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 公判は、走行中の運転行為を適用の前提とする危険運転致死傷罪が、停車後の事故にまで適用できるかが争点。弁護側は事実関係を大筋で認めたものの、あおり運転の危険性は停車した時点で消滅し、死傷事故との因果関係は認められないと主張していた。
 
 深沢裁判長は判決理由で、被告が4度にわたって行った割り込みなどの妨害運転について、「同罪の実行行為に該当する」と指摘。その後ワゴン車を路上に止めた行為や、停車後に一家ともみあいになり路上にとどまらせたこととも「密接に関連する」とし、「一家の死傷結果は、被告が妨害運転に及んだことで生じた」と判断して同罪の成立を認めた。
 
 その上で、「(同乗者らから)何度も止められたにもかかわらず妨害運転に及んでおり、強固な犯意に基づく執拗(しつよう)な犯行」と被告を非難。「自己中心的な動機から短絡的に犯行に及んでおり、酌むべき余地はない」と量刑理由を説明した。
 
 判決は、併せて起訴された強要未遂罪2件と器物損壊罪、亡くなった男性=当時(45)=に対する暴行罪についても、いずれも認めた。
 
 判決によると、被告は昨年6月5日夜、現場から約1キロ手前の中井パーキングエリアで、車の止め方を注意されて憤慨。一家のワゴン車の進路をふさいで路上に停車させた上、男性に暴行を加えるなどして一家をその場に留め置き、後続の大型トラックが突っ込む事故を引き起こした結果、男性と妻=当時(39)=を死亡させ、長女と(17)と次女(13)にも軽傷を負わせた。

法改正機運、醸成の可能性も


【解説】危険運転致死傷罪の成否で注目された判決は、因果関係を理由に成立を認め、走行中の事故が適用の前提とされる従来の法解釈を拡大した。専門家の言葉からは評価と懸念が相半ばし、法改正の機運が盛り上がることも予想される。

 公判で検察側は二段構えで同罪の成立を主張した。

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