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「フランケン」作者の生涯 【メアリーの総(すべ)て】

カルチャー 神奈川新聞  2018年12月14日 14:06

 人々を恐怖に陥れる怪物として何度もホラー映画化される「フランケンシュタイン」。原作は、怪物を通して見捨てられた存在の孤独を描いた19世紀英国の小説だ。その作者メアリー・シェリーの人生を描き、傑作誕生のいきさつとともに、当時の女性たちが置かれた社会的な閉塞(へいそく)感も表現している。

 16歳のメアリー(エル・ファニング)=写真=は、女性の人権擁護を訴えた先駆者を母に持ち、父は無神論者で知られる作家。自らも創作意欲に満ち、物語をノートにつづっていた。

 既に妻子のあった天才詩人シェリー(ダグラス・ブース)と出会い、恋に落ちて駆け落ち。愛と文学で満たされた生活を夢見るが、現実は甘くない。お金がないのにやりたい放題の夫、生後10日余りで亡くしてしまった娘。メアリーは次第に孤独感を深めていく。

 やがて、自身の後悔や絶望を投影させた怪物を主人公に「フランケンシュタイン」を夢中で書き上げる。だが、原稿を持ち込んだ出版社は、夫が書いたものだろうとあからさまに疑い、若い女性にはふさわしくない内容だと次々に断る。やっと出版にこぎ着けたものの、匿名で出すしかなかった。

 「女性だからって」と激高するメアリー。男性に依存しなければ生活の糧を得られず、社会的な存在を認められなかった多くのメアリーの思いが、その怒りと嘆きにこもる。


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