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文豪ディケンズの苦悩描く 【Merry Christmas! ~ロンドンに奇跡を起こした男~】

カルチャー 神奈川新聞  2018年12月14日 14:04

 19世紀に活躍した英国の文豪チャールズ・ディケンズの傑作「クリスマス・キャロル」。守銭奴スクルージが過去・現在・未来のクリスマスの幽霊と出会い、人生を振り返って改心する物語で、爆発的な人気を得た。その名作誕生を巡るディケンズの苦悩や創作の喜びを、生き生きと描く。

 ディケンズ役は、ドラマ「ダウントン・アビー」のマシュー役で一躍人気者となったダン・スティーブンス=写真左。これまでの文豪のイメージと異なる、若々しく好奇心にあふれた姿を、人間味豊かに演じている。実際、「クリスマス・キャロル」を執筆した当時のディケンズは31歳で、4人の子と妊娠中の妻がいた。

 スランプ中のディケンズは、暮らしの中で耳目に触れたさまざまなことをヒントに、クリスマスにまつわる話を書こうと決め、悪戦苦闘する。

 登場人物に名前を付け、会話を交わす場面が絶妙。キャラクターの考えを引き出し、人格を固めていく。創造の現場をのぞいているようだ。オスカー俳優クリストファー・プラマーがスクルージに扮(ふん)し、重厚感を出す=同右。

 想像の世界で登場人物たちと接するうちに、ディケンズは身勝手な父親との確執やつらい体験をした子ども時代といった自らの心の傷にも向き合っていく。メリハリのあるスティーブンスの熱演もあり、等身大のディケンズを感じられる。


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