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命の重さ、見合う時間 刑務所に
【東名あおり】大切な両親は戻らない 遺族ら怒りや悲しみ

社会 神奈川新聞  2018年12月11日 02:00

横浜地裁
横浜地裁

 大井町の東名高速道路で昨年6月に起きた一家4人の死傷事故で、男性=当時(45)=と妻=当時(39)=を亡くした遺族は10日の公判で、意見陳述に臨んだ。「2人のことを考えると厳罰に処してほしい」-。事故の経緯や状況について「覚えていない」との言葉を法廷で繰り返した被告(26)へ、怒りや悲しみをぶつけた。

 事故当時ワゴン車に乗り合わせ、自らも被告のあおり運転を目の当たりにした男性の長女(17)は、検察官が書面を読み上げる形で意見陳述した。

 「逆ギレして、度を超えた執拗(しつよう)な嫌がらせをし、高速道路という危ない場所で平気で口論するなんて。私は不思議でならない」

 被告への疑問を口にした長女は「被告が何を言っても大切な両親は戻ってこない」と心境を吐露。「私は今、両親が築いてきた人間関係の中で励まされて何とか生きている」としつつも、「家族みんなで一緒に死んでしまえば良かったと何度思ったことか。両親ともっと一緒にいたかったし、大人になったらいろんなことをしてあげたかったのに、それもできないのは悔しい」と述べた。

 被害者参加人として法廷で審理を見守ってきた妻の父親(73)は、事故後に一緒に暮らす長女と次女(13)について「私らに気を遣い、しなくてもいい我慢をしているのだろうと不憫(ふびん)になる」と語った。被告に対しては「自分のやったことの危険性や重大性をきちんと理解し、向き合い、反省しているようには見えなかった」とし、「同じような恐怖や苦しい目に遭わせてやりたい」「2人の命の重さに見合うだけの長い時間、刑務所に入れてもらいたい」と怒りを込めた。

 男性の母(78)は、危険運転致死傷罪の適用で争いがあることを踏まえ、「どんな罪になっても、残された遺族からすれば、2人が被告に殺されたとしか思えない」と涙ながらに法廷で訴えた。

 結審後には報道陣の取材にも応じ、公判中の被告の態度について「本当に歯がゆい気持ち。(事故の経緯を聞かれて)無言が続いたり『覚えていない』と言ったり、びっくりした」と明かし、「何年と言わず更生するまで、なるべく重い罪にしてほしい」と求めた。


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