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【東名あおり】「決して許されぬ行為」 懲役23年求刑、結審

社会 神奈川新聞  2018年12月10日 22:27

横浜地裁
横浜地裁

 大井町の東名高速道路で昨年6月、「あおり運転」を受けて路上に停止させられたワゴン車が後続車に追突され静岡市の一家4人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた無職の男(26)の裁判員裁判の論告求刑公判が横浜地裁(深沢茂之裁判長)であった。検察側は「安全な自動車社会のため、被告の行為は決して許されない」として懲役23年を求刑。弁護側は危険運転致死傷罪の成立を改めて否定し、結審した。判決は14日に言い渡される。

 公判は、走行中の運転行為を適用の前提とする危険運転致死傷罪が、停車後に誘発した事故にまで適用できるのかが争点。

 検察側は論告で、路上への停車が原則禁止されている高速道路上での被告のあおり運転が、危険運転に該当すると指摘。「被告の危険運転によって車が停止し、後続車による追突が誘発されたと評価でき、因果関係は明らか」と述べた。

 予備的訴因の監禁致死傷罪についても、被告が一家のワゴン車の直前に停車した点などから「一家を脱出困難な状況に陥らせた」と主張。「危険な運転の常習性が顕著で交通ルールを守る意図が全くない」と指弾し、最高刑がいずれも懲役20年の両罪に加え、併せて起訴された強要未遂罪や器物損壊罪も含めて懲役23年が相当とした。

 弁護側は最終弁論で、「被告のあおり運転は停車した時点で終わっており、追突事故との因果関係は認められない」などと反論。監禁致死傷罪も、被告に監禁の意図がなく、一家の脱出が不可能とまでは言えないとして成立を否定した。

 被告は最終意見陳述で、「娘さんたちやご遺族に深い傷を負わせてしまったことを今後背負っていきます」などと謝罪した。

 起訴状などによると、被告は昨年6月5日夜、現場から約1キロ手前の中井パーキングエリアで車の止め方を注意されて激高。一家のワゴン車に幅寄せや割り込みなどを繰り返して進路をふさぎ、路上に停車させた。降車した被告がワゴン車に詰め寄った際に大型トラックが突っ込む事故が起き、被害者の男性=当時(45)=と妻=当時(39)=を死亡させ、長女(17)と次女(13)に軽傷を負わせた、とされる。


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