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一芸に秀でた“忍び”が集結 「風魔党」結成へ 小田原

話題 神奈川新聞  2018年12月09日 02:00

「風魔党」結成へ意気込む11代目の小野さん(左から2人目)ら歴代の風魔小太郎、おふう =横浜市内
「風魔党」結成へ意気込む11代目の小野さん(左から2人目)ら歴代の風魔小太郎、おふう =横浜市内

「風魔党」結成へ意気込む11代目の小野さん(左から2人目)ら歴代の風魔小太郎、おふう =横浜市内
「風魔党」結成へ意気込む11代目の小野さん(左から2人目)ら歴代の風魔小太郎、おふう =横浜市内

 戦国時代、小田原を拠点に関東一円を支配した後北条氏五代に仕えたとされる風魔忍者の復権に向けた動きが加速している。歴史上の頭領の名跡を継ぐ現代の「風魔小太郎」たちが集結。武芸や潜入、情報発信など一芸に秀でた“平成の忍び”を招集し、忍者集団結成をもくろむ。目指すは「風魔党」の知名度向上。海外の忍者ファンも巻き込み、新風を吹き込もうとしている。

 11月23日、横浜市内のホテルの1室で、11代目風魔小太郎こと小野正治さん(44)が関係者約20人を前に口火を切った。「任期が1年ありながら活躍の場が少ない。風魔を盛り上げるために何かできないか」-。

 8月に行われた忍術を競う「天下一忍者決定戦」で精鋭約20人の頂点に立った小野さんは次第にもどかしさを募らせていった。ひとたび名乗りを得たものの、目立った活躍の場がないのが現状。「盛り上げに少しでも力になりたい」。歴代の小太郎たちに相談すると、続々と賛同者が集ってきた。

 11代目は日本拳法など武術に精通し、腕に覚えがある。さらに、8代目はアクション俳優として殺陣に習熟していた。周囲の忍者ファンらに声を掛けると、探偵を生業とする人や、フランス軍隊の軍事訓練が発展したニュースポーツ「パルクール」の指導者も合流。IT(情報技術)関係の実業家、イラストレーターもいれば、デンマークや台湾、韓国の「くノ一」志望者も現れた。

 海外のファンも多い忍者コンテンツ。国際観光都市・箱根を後背地に持つ地の利も生かし、訪日観光客取り込みに向けた可能性は無限に広がる。

 ただ、活動の幅を広げていくためには「風魔の里」のPRを進める市観光協会との連携は不可欠だ。「一緒に盛り上げていきたいというのがわれわれの思い」と小野さん。近く市と市観光協会に「風魔党」を公的な存在として認めてもらえるよう要望書を提出する運びだ。


要望書に署名する11代目の小野さん(左)ら歴代の風魔小太郎、おふうら=横浜市内
要望書に署名する11代目の小野さん(左)ら歴代の風魔小太郎、おふうら=横浜市内

 一方の観光協会側も歓迎すべき動きと受け止める。「当初は大きな負担を掛けたくないと遠慮があった」とは同協会の長谷川孝春専務理事。共に風魔を売り込みたいという思いは合致するだけに「連携して取り組むことは可能。こちらからお願いすることもあるかもしれない」と語る。

 まだ新生「風魔党」は顔を合わせたばかり。何ができるかを模索している。小野さんは言う。「これだけ集まればきっと面白いことがたくさんできる」。風は熱を帯びている。

風魔小太郎 1495年ごろから1590年にかけ後北条氏に仕えたとされる忍者集団の頭領。北条五代記などに記述がある。5代目までが存在を伝えられており、代々の頭領が小太郎を称した。小田原市観光協会が2013年に観光振興の起爆剤として名跡を復活。イベント参加者が早駆けや水中で息を止める「水遁(すいとん)の術」、手裏剣などの忍術で競い、「6代目」以降(当代は11代目)を決めてきた。併せて小太郎の娘とされる「おふう」として初代から5代目まで女性を認定している。


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