1. ホーム
  2. 話題
  3. うろうろする訳は? 「理解しやすい」障害啓発ポスター

横浜市港南区
うろうろする訳は? 「理解しやすい」障害啓発ポスター

話題 神奈川新聞  2018年12月09日 02:00

障害の特性から生じる特徴的な行動を素朴なイラストで紹介する啓発ポスターの一部
障害の特性から生じる特徴的な行動を素朴なイラストで紹介する啓発ポスターの一部

 3~9日は障害者週間。横浜市港南区が製作した発達障害や知的障害のある人が繰り返すことの多い行動を“ヘタウマ”なイラストで描いた啓発ポスターが会員制交流サイト(SNS)で話題となり、共感が全国にじわりと広がっている。予想外の反響に戸惑いつつも、ポスター作りに携わったメンバーが伝えたい思いはただ一つ。「障害の特性を知って、温かく見守ってほしい」

 「ぴょんぴょんぐるぐる」「ぶつぶつ」「うろうろ」-。ポスターに描かれた六つの特徴的な行動。力の抜けたゆるいイラストとともに、その理由が分かりやすく添えられている。

 例えば、病院の待合室などで飛び跳ねたりぐるぐる回ったりするのは、知らない人に囲まれる不安や緊張を和らげるため。独り言をつぶやくのは、趣味の世界を楽しんでいるため。うろうろ歩き回るのは、気持ちが落ち着かないから。

 〈いろんなひとがいるんだなあ~ってユルく受け止められると生きやすい〉

 思わぬ反響をもたらすきっかけになったのが、たまたまポスターを見掛けた一般の人のツイッターでのつぶやき。「障害を理解しやすい」と話題になり、共感を示す「いいね」が1カ月余りで7万を超えた。

 そんなポスターを製作したのは、区役所や障害者支援団体などでつくる「港南区自立支援協議会」。今年4月から、区内の医療機関や公共施設のほか、京浜急行や市営地下鉄の駅構内などに張り出している。

 「健常者と障害者の橋渡しができないか」。昨年7月、障害当事者や保護者から寄せられた声を受けて区職員らがチームを立ち上げ、月1回のペースで検討を重ねた。保護者らの意見も取り入れながら、今年3月までに完成させた。

 キャッチコピーは「あたたかく見守ってください」。見た目では分かりにくい障害への理解を深め、地域で一緒に暮らしていこうという思いを込めた。街で見かけることの多い場面を選び、説明文はできるだけ短くした。障害のある人との関わりが薄い人にこそ見てもらいたいからだ。

 限られた予算のため、イラストは絵の得意な職員が手掛けた。「ヘタウマな絵のほんわかとした優しい雰囲気が受けたのかもしれない」と区高齢・障害支援課の竹田良雄課長。今後、掲示先を市営バスやコンビニにも広げたいと思い描く。


啓発ポスターの活用を呼び掛ける竹田課長(左から2人目)ら=横浜市港南区
啓発ポスターの活用を呼び掛ける竹田課長(左から2人目)ら=横浜市港南区

 反響はなお続く。県内外の特別支援学校や障害者支援団体などから問い合わせが寄せられ、社内研修で活用したいという企業からも相談がくる。「障害のある人は感情や行動をコントロールするのが難しい傾向がある。障害を知るきっかけにしてもらい、それぞれが考えを深めてほしい」

 ポスターは、同区のホームページからダウンロードできる。問い合わせは、同課電話045(847)8409。


シェアする