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記者の視点=報道部・柏尾安希子
時代の正体〈652〉元慰安婦の映画上映ルポ

時代の正体 神奈川新聞  2018年12月01日 09:22

トークショー後、来場者にサインをしながら交流する朴壽南監督=11月28日午後5時すぎ、横浜市中区
トークショー後、来場者にサインをしながら交流する朴壽南監督=11月28日午後5時すぎ、横浜市中区

 「今、来てるよ」。受話器越しのひそめたような声は、張り詰めていた。11月28日午後7時前。上映会のスタッフからだった。

 横浜情報文化センター(横浜市中区)の6階ホールで、在日朝鮮人2世の朴壽南(パク・スナム)監督(83)が制作し、元慰安婦の女性たちを追ったドキュメンタリー映画「沈黙-立ち上がる慰安婦」の上映会が午後2時半から開かれていた。監督のトークショーが終わり、第2部上映が始まったばかりだった。

 開場前から、周辺の道路では右翼団体の街宣車が「反日団体に会場を貸すな」「(作品は)反日感情を植え付け、マインドコントロールする」と拡声し、周回していた。私服、制服の警察官が多く配置され、会場前の道路を封鎖するバリケードを築いた。だが、ホール内は平穏が続いていた。

 昼すぎから会場内外で取材していた私は、第2部を前にスタッフと「無事でよかったですよね」と声を掛け合った。トークショーでも何事もなく、もう大丈夫だろうと思い、ほど近い社に戻って記事を書き始めていた。念のため、何かあったら電話をくれるよう頼んでいた。

 甘かった。執筆を始めて1時間もしないうちに、電話が掛かってきた。

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