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あやめちゃん 手術終え元気に帰国 両親「募金に感謝」

社会 神奈川新聞  2018年12月01日 02:00

「ありがとうございました」。会見で話す言葉を自宅で練習してきたというあやめちゃん。両親に抱かれ、かわいくポーズをとった=川崎市役所
「ありがとうございました」。会見で話す言葉を自宅で練習してきたというあやめちゃん。両親に抱かれ、かわいくポーズをとった=川崎市役所

「普通の暮らし 普通のこと 幸せ」


 重い心臓の病気で移植のために渡米していた佐々木あやめちゃん(3)が無事手術を終え、今月初めに約2年半ぶりに川崎市川崎区の自宅に戻った。29日に川崎市役所で会見した両親の幸輔さん(30)、沙織さん(31)は「自宅で家族そろって過ごせる。こんなうれしいことはない」と喜びをかみしめ、渡航や医療費のための募金に協力してくれた多くの人への感謝を伝えた。

 「今までままならなかったおんぶも肩車も、一緒にお風呂に入ることも自由にできる。普通の暮らしをできることがこんなに幸せなことなのかと実感しています」。幸輔さんはしみじみと語った。

 あやめちゃんは左室心筋緻密化障害という先天的な病気で入退院を繰り返してきた。2016年夏以降、心不全が悪化し、補助人工心臓を装着した。心臓の移植しか生きる道はないと医師に言われた。

 国内では子どもの心臓移植例が極めて少ない。両親は米国での手術を決めた。重く大きい補助人工心臓とともに移動するため、チャーター機が必要となる。必要な渡航費、医療費は3億円以上だった。

 両親や有志は「救う会」を発足し、3億1千万円を目標に募金活動を開始。幸輔さんの会社の同僚や地域住民など多くが協力し、昨年12月、目標額に至った。今年1月に一家で米国に渡り、半年間、ドナーを待った。7月に行われたコロンビア大病院での手術は無事成功。術後の経過も良く、あやめちゃんは2週間で退院した。

 補助人工心臓のポンプはエアコンの室外機のような音を終始出す。1・5メートルのチューブでつながれた範囲でしか動くことができなかったあやめちゃんは手術後、「(ポンプ)ないね」とぽつり。「好きなところに動いていいんだよ」。沙織さんが促すと恐る恐る歩き始めたという。

 今はすっかり元気いっぱい。「ママ抱っこ」と両手を広げて走ってくる。「そんな普通のことに幸せを感じます」と沙織さん。「3歳になったあやめが家にいる。3人で並んで寝られる。信じられません」と幸輔さん。

 あやめちゃんは、春から自宅近くの幼稚園に通う予定だ。


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