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ギタリスト/バイオリニスト・SUGIZO
【ひとすじ】音楽通し社会問題発信(上)

社会 神奈川新聞  2018年11月29日 11:38

ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラの市役所ホールで初めてライブを行った=18年10月(眞鍋孝太郎さん撮影)
ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラの市役所ホールで初めてライブを行った=18年10月(眞鍋孝太郎さん撮影)

 イスラエルが首都と定める聖地エルサレムから北へ約15キロの都市、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラ。その市役所ホールに詰め掛けた300人の視線は、舞台上の男性に注がれていた。

 ロックバンド「LUNA SEA」と「X JAPAN」のギタリストでバイオリニスト、そしてソロでも活動するSUGIZO(49)=秦野市出身=。国内で数万人を集めることが珍しくない音楽家にとって45分間のライブは小さすぎる催しだったが、心は満ち足りていた。

 ライブ中盤に現地でよく知られるアラブの民族音楽を挟むと、ギターの大音量に驚き、固まっていた聴衆も次第に体を揺らし始めていく。「20年前から訪れたいと思っていた。夢がかなった」。そう英語で伝えると、ホールは大きな拍手に包まれた。

 今年10月、この地で開催された日本とパレスチナとの交流イベントの出演を皮切りに、SUGIZOはパレスチナ自治区の計3カ所でライブをした。

 「僕たちが生活している日本と、紛争が起きている場所は、同じ空でつながっている。子どもたちが目に宿している輝きを守りたい」。初めてパレスチナ自治区を巡った今回の活動を振り返り、これまでずっと抱いてきた思いをあらためて強くしたという。

 脱原発や難民といった社会問題を自らの音楽と行動で発信してきて20年、SUGIZOを活動に向かわせたのは小さな命だった。



 娘と肩を寄せてスマートフォンで撮影した写真を眺めながら浮かべる笑顔は、世の父親のそれと変わらない。1996年4月に長女が生まれ、SUGIZOの人生は大きく変わり始めた。

 当時は絶頂期だった。伊勢原高校時代に出会った仲間と89年にLUNA SEAを結成し、その3年後にプロ始動。「ROSIER」(94年)「I for You」(98年)など多くのヒット曲を放ち、シーンをけん引していた。

 ただ、思春期に両親の離婚を経験して以来

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