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日本将棋連盟指導棋士五段、本紙将棋担当記者
将棋のはなし(85)オセロ大会②優勝の可能性

カルチャー 神奈川新聞  2018年11月29日 11:20

【2018年11月25日紙面掲載】

 初出場したオセロ大会「神奈川オープン」。初勝利を懸けた2回戦の相手は、小学6年の男子。

 この日、心配だったのは子どもたちとの対戦である。全然考えない早打ちの少年に惨敗したら嫌だなと。でも将棋では昔、逆の立場だったのだ。そうなったら因果応報と諦めるしかない。

 対局が始まると、彼は慣れた様子で図面に棋譜を書きながら打ってくる。これは間違いなく腕利きの選手だ。

 初戦では勝手がつかめなかった私も、このあたりで少し慣れてきた。しっかり手を読みながら打てていたと思う。

 持ち時間は20分で使い切ったら負け。終局までの手数が読めない将棋大会では不評の「切れ負け」だが、パスを除けば60手で必ず終わるオセロでは苦にならなかった。

 この2回戦は互いに残り1分を切る大熱戦になり、運よく2石勝ち。

 何度か石を数え直した少年は、一瞬だけ悔しそうな表情を見せたが、すぐに敗戦を受け入れて「級持ってないんですか。強いですね」と言ってくれた。惜敗直後に相手をたたえるとは、度量の大きさに驚いた。

 これで調子が出たのか、さらに3連勝して最終戦を迎えた。

 ここまで一般部門は、5戦全勝が1人で4勝1敗が私を含む数人。同星で終われば6戦合計の石差で順位を決める。

 私の相手は全勝者。幸か不幸か直接対決が組まれた。勝てば3位以内は確定で、優勝の可能性も十分あるようだ。


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