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【減災新聞】〈知る・深める〉予知不可能、自発的備えを 温地研所長が呼び掛け

減災 神奈川新聞  2018年11月25日 10:33

津波の特徴を理解し、対策や行動に生かすよう呼び掛ける温地研の加藤所長=小田原市民会館
津波の特徴を理解し、対策や行動に生かすよう呼び掛ける温地研の加藤所長=小田原市民会館

 県温泉地学研究所の研究成果発表会が16日、小田原市内であった。加藤照之所長は「かつては東海地震だけは予知できるとして気象庁が取り組んでいたが、研究が進み、できないことが分かった」と地震学の現状について述べ、突発的な地震や津波に対して自発的に備えるよう呼び掛けた。

 加藤所長は日本地震学会の元会長で、東海地震予知の判断を担う気象庁の地震防災対策強化地域判定会の委員も務めた。

 「神奈川県を襲う地震と津波」と題して登壇し、東海予知を取りやめる代わりに昨年11月から運用が始まった南海トラフ地震警戒情報の目的を説明。「予知をただ諦めるのではなく、南海トラフの震源域で何かが起こったときにそれを住民に知らせるものだ」とし、予想されるいくつかのシナリオを念頭に政府が情報発表時の防災対応を検討していると説明した。

 南海トラフ地震が起きると県内は最悪の場合、2900人が津波に巻き込まれて犠牲になると想定されている。相模湾では最大で10メートルの津波が見込まれているが、「到達まで30分程度時間がある」として迅速な避難行動で命を守れる点を強調。そのために、浸水予測図やハザードマップを使って避難場所を確認したり、避難訓練に参加したりするよう訴えた。

 発表会ではこのほか、瀧沢倫明専門研究員が2017年以降の地震活動の特徴を説明。「県内で大きな被害を伴う地震は起きていない」としつつ、震度5強以上の地震が大阪や北海道などで計8回起きた状況を踏まえ、「どこでも起きる」と強い揺れへの備えを促した。


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