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新たな点字の受け皿に 点字あゆみの会が横浜会場を新設

話題 神奈川新聞  2018年11月19日 10:34

点字器を用いて点訳する中川さん=横浜市西区
点字器を用いて点訳する中川さん=横浜市西区

 都内を中心に首都圏で活動する点訳ボランティアサークル「点字あゆみの会」が、横浜会場を新設した。点字が活用される場は情報技術(IT)の進歩で減少傾向にあるものの、視覚障害者の活躍の場を広げ、果たしてきた役割は大きい。同会場で活動する副会長の中川敦司さん(42)=横浜市西区=は「これまで神奈川県内からの問い合わせには応じられなかったが、県内で点字に関心のある人の受け皿になれば」と話している。

 点字は指の感覚で読み取る視覚障害者用の文字で、六つの点の組み合わせで文字を表現。点字器と呼ばれる定規に似た専用の道具を使って点訳する。

 中川さんは早大在学中に学内で点字サークルと出合った。「阪神大震災後で『ボランティア元年』と呼ばれた年。何か人の役に立つことをしたかった」と振り返る。就職後、5年間は点字から離れたが、仕事に余裕ができ、新しいことに挑戦したいと考えていたところ、都内の実家近くの公民館で同会を知った。

 同会の歴史は古く、半世紀以上前の1966年に創立。新設した横浜のほか、都内をはじめ千葉と埼玉の計8カ所で活動し、会員数は計約100人に上る。視覚障害者が入会しているほか、年に1回の旅行などをしているのが特徴だ。中川さん自身は依頼を受けて、一般の書籍のほか、高校受験用の学習参考書、購入した家電の説明書、はり治療に関する専門書などの点訳を手掛けてきた。

 県内の活動拠点として横浜会場を新設して半年がたつが、新規の入会はない。中川さんは「音声の自動読み上げシステムなどITの進歩で、今後手作業の点訳が増えることはないと思う」と話す。ただ、大学在学中、パラリンピックの競泳で活躍した全盲の河合純一さんが中学校の社会科の教員免許試験で使うテキストの点訳に携わったのが忘れられないと言い、「人の人生の後押しができた」と誇りに思っている。

 昨年末に横浜に移り住んだ。中川さんは「会場は県内の拠点として各地からアクセスの良い横浜駅近くに構えた。まずは県内の会員を増やしたい」と意欲を見せている。



 同会の横浜会場は、横浜市西区の福祉保健活動拠点「フクシア」で毎週土曜日午後2時から活動している。問い合わせは、同会メール(tenjiayumi@npo-jp.net)


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